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End Stage

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 ■終局フェイズ

 ┣#

 ┣キャスト:ALL

 ┗場所:星空の神殿

  

  

 

 

 

         静かなる闇の中でも

         君達には理解出来た        

 

         数多の星が

         聖痕者と言う運命に殉じて

         戦い

         傷つき

         そして散っていった星が

         君達を祝福している

 

         運命に勝つ

 

         それは、神の掌をほんの少し踏み出す事

         そして、同時に大いなる神が何よりも望むことなのかもしれない

  

 

 

 

  

GM-kuro ■聖痕の祝福

GM-kuro DPが完全回復します

GM-kuro ※ただしクリスの闇の鎖はそのまま

  

  

  

フレデリック  傷ついた身体で座り込んだままそれを見上げる。

フレデリック  何か大きなことを成し遂げたという、その実感があった。

フレデリック  確かな手応え。

フレデリック  だが……

フレデリック 「……ま、考えても詮無いことか」

フレデリック  ゆっくりと吐息。

 

フレデリック 「――なあ、友よ?」

 

  

GM-kuro  傷ついた体で寝転んだまま、それを見上げる

GM-kuro  背の重みが少しずつ消える、その実感があった。

GM-kuro  勝利と世界は己の背から離れたが

GM-kuro  背負ってきたことは無駄ではなかった

GM-kuro  何故なら……

GM-kuro フーゴ「ふ……お前に考え事など似合わんさ。」

  

GM-kuro  ゆっくりと、吐息

  

 

GM-kuro フーゴ「そうだろう。友よ」

  

 

GM-kuro  そして、笑み

GM-kuro  それは、大いなる未来へ続く道を作った事を感じるがゆえの、透明な笑みであった

  

 

フレデリック 「ひでえな。いろいろ考えてるんだぜ?」

フレデリック  くつくつと、心底おかしそうに笑う。

フレデリック  命を賭して戦い、そして今、片方が大地に倒れ伏したというのに、二人の顔は場違いなほどに晴れやかだった。

フレデリック 「これからどうするか、とか、借金の返し方とか、戦後処理も考えにゃならねぇ。全く、王ほど割りに合わん商売もそうそうねえな」

フレデリック  まあ、借金は踏み倒してなんぼだがな、とも続いたが。

フレデリック 「――まあ、未来が続く限り、足を止めるわけにはいかんわな」

フレデリック  ぽつりと呟いた言葉こそ。

フレデリック  この男をここまで歩ませてきた、揺るぎない真実かもしれない。

 

GM-kuro フーゴ「そうだな……世界も、我々も。まだ終わりはしないさ」

GM-kuro 夜の帳の如き穏やかな闇

GM-kuro しかし、世界には全てを無に返そうとする大いなる闇があるのも君達は知っている

GM-kuro だが、不思議と

GM-kuro 自分達は、そして人間は

GM-kuro そんな闇に負けはしない

GM-kuro そんな感覚が君達を支配していた

  

フレデリック 「分かってるじゃねぇか。流石は我が友よ」

フレデリック  に、と。

フレデリック  いつもの笑みを取り戻して、大儀そうに立ち上がる。

フレデリック 「――クインシー。疲れてるとこ悪ィがな、フーゴの傷を治してやってくれや」

 

 

 

クインシー 「わかりました」

クインシー  気安く応じ、フーゴに歩み寄り、

  

クインシー  「[お立ち下さい]、フーゴ殿」

  

クインシー   言葉は少なく、意味は強く

クインシー   それは原初の言葉のように

クインシー   言葉は力である

  

 

 

∵再生∵     − Rebirth

 

 

 

 

クインシー             対象はフーゴ

  

 

 

 

          故に、

  

 

  

                     ざしゃっ

  

 

 

 

  

GM-kuro 王は、立ち上がる

GM-kuro 破れても王

GM-kuro そう、彼はハイデルランド王として

GM-kuro 此度の戦で培った大規模な戦闘の知識を

GM-kuro 持ち帰り

GM-kuro 後の世に起きる

GM-kuro 大侵攻に備えねばならぬのだ

  

 

GM-kuro フーゴ「ふー……そうだな。寝ている暇など、我々にはないか」

  

 

フレデリック 「恐らく、纏めた国は再び割拠されるだろう。ハイデルランドは、また麻のように乱れる」

フレデリック  感情のない言葉を継ぐ。

フレデリック 「敗戦の王として、お前は糾弾されもする。玉座を追われるかもしれねぇし、下手をすると断頭台にひっ立たされる可能性すらある」

フレデリック  淡々と、そこまで言って、だが、と続ける。

フレデリック 「――それでもお前は……否、お前が、戻らにゃならねぇ」

 

GM-kuro その言葉に

GM-kuro だが、笑みが帰る

GM-kuro フーゴ「無論だ。それもまた、私の選んだ道」

 

フレデリック  ――この男以外に、混迷のハイデルランドの中で、やがて来る脅威に備えることの出来るものがいるだろうか?

フレデリック 「悪ィな、厄介事を押しつけて」

フレデリック  いや、と首を振る。

フレデリック 「お互いに物好きってだけか」

フレデリック  初めてそこで笑う。

 

GM-kuro フーゴ「そういうことだ。」

GM-kuro 思えば、初めて会った時からそうであったな、と

GM-kuro 暫しの間、過去と現在が交錯し

GM-kuro 笑みが咲いた

 

フレデリック 「何なら、ある程度の安全が確保出来るまで、妻子をこっちで保護してもいいが、どうするよ」

フレデリック  意味ありげな視線がクリスに向いたりもする。いや、意地悪げ、の間違いか。

 

クリス その視線に気づき

クリス 「えぇ、ちょうどいい場所もありますし」

 

GM-kuro ふむ、と

GM-kuro フーゴが軽く唸り

GM-kuro 視線がスレイに向く

GM-kuro わずかな間

GM-kuro そこは、兄でも入れない

GM-kuro 夫婦の絆の閃く場所だ

 

 

クリス@舞台裏 くりす「封印逆位置ではいりこんでみましょうか」

フレデリック@舞台裏 おとなげないくりす

クインシー@舞台裏 くいん「大人気ないですねクリス」

クインシー@舞台裏 くいん「兄の威厳値が下がりますよ」

 

 

GM-kuro フーゴ「そうだな。母の時のような後悔を、二度抱く事もあるまい」

GM-kuro そう言うと、クリスへと視線を向け

GM-kuro フーゴ「頼めるかね。我が義兄弟よ」

 

 

フレデリック@舞台裏 お義兄さん言われたぞクリス

GM-kuro舞台裏: 威厳値を

GM-kuro舞台裏: 上げようとしてくれる

GM-kuro舞台裏: 懐の広い

GM-kuro舞台裏: フーゴ

クインシー@舞台裏 義兄いわれましたね

 

 

クリス 「えぇ、ただし、一つ約束を」

クリス 「ちゃんと、迎えに来てくださいね」

クリス 少々の心配を混ぜて発せられた言葉は

クリス 波乱の地へと戻る、家族を気遣うかのようだった。

 

GM-kuro フーゴ「ああ。約束しよう」

GM-kuro そう言って

GM-kuro 手が差し出される

GM-kuro 今まで多くのものを抱いてきたであろう

GM-kuro フレデリックに勝るとも劣らぬ王の掌だ

 

クリス 差し出された手を、しっかりと握り

クリス 「あと、なるべく早くお願いします。私もなるべく早く身を固めたいので…、別に貴方が心配なわけではありませんよ」

クリス そう、付け加えた。

 

 

クリス@舞台裏 くりす「ここで手の中に画鋲を!」

フレデリック@舞台裏 おちつくのよ・・・

クインシー@舞台裏 くいん「兄の威厳値が20下がった」

フレデリック@舞台裏 ツンデレたな

クリス@舞台裏 くりす「裏で私の威厳値がどんどん下がってゆく…」

クインシー@舞台裏 くいん「言動が色々大人気ないですから」

 

 

GM-kuro フーゴ「ふ……善処させてもらおう」

GM-kuro 手を離すと

GM-kuro ざ、と

GM-kuro 己の臣の下へ歩んでいく王

 

GM-kuro フーゴ「暫しの別れだ。勝者の権利、運命の残骸をどうするか……お前達に任せよう」

  

 

                そう          

     

                レクスカリバー

 

                二本の剣

 

                運命の輪から解き放たれた

                神の剣の未来もまた

                君達の手に委ねられていたのだ

  

 

 

 

       敗北したといっても、別に勝つことが目的なのではない。 

    

       否。

 

       勝ったというならば、運命に打ち勝った、この場の全ての者が勝者とすら言えるだろう。

       その誇らしげですらある、友の背に、

 

      「フーゴ!」

 

       親しげに呼びかける。

 

      「またいずれ、酒でも酌み交わそうじゃねぇか。……幾年ぶりかにな!」

 

 

       口許には涼しげな笑み。

       確執とさえ言える闘争を経て尚、相手を友と認めているからこその表情だった。

  

   

 

 

 

                そして

                勝利の後に続く道を

                皆、少しずつ踏み出し始めた

  

 

 

 

 

 

  

 

                                                    Scene end

 

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■#

 ┣キャスト:ALL

 ┗場所:星空の神殿

  

  

 

 

 

フレデリック 「さて、大仕事が済んだぜ、我が同胞よ」

フレデリック  何事もなかったかのように……つまり、いつも通りに振り返り、唐突に言う。

フレデリック 「だがこれからが大仕事だ。そうだろう?」

クリス 「あぁ、その台詞、私も言おうと思っていたのに」

クリス いつもどおり、残念そうに返すクリス。

クインシー 「いつもどおりに大仕事ですね」

クインシー  こちらも普段どおりに飄々と返す。

 

フレデリック 「共通の認識が出来ているようで何よりだ。……まずは何より、剣、だな」

フレデリック  組んでいた腕を解く。

クリス 「二刀流でもしてみますか?」

クインシー 「見目は派手ですね」

フレデリック 「やだ。重い武器が好きなんだよ。こいつも剣よりは重い」

フレデリック  と、水晶鋼の槍をぶんと回す。

クリス 「それは残念」

フレデリック 「……まあ、どちらにしても、この場に放置しておくわけにもいかねぇわな」

フレデリック  いずれも強力な力を持つ剣なのだ。

フレデリック  おいそれと抜けるものではないが、しかし何かの間違いで力を持たれても困る。

クリス 「そうですね…とはいっても神代の剣、おいそれと鋳潰すわけにもいきませんし」

フレデリック 「パネラに渡したら即座に溶鉱炉に行きそうな気もするしな」

クインシー 「それはそれで見てみたいような気もしますが」

フレデリック  女鍛冶師が嬉々とした表情で、神代の剣をふいごにかける様子がありありと想像できた。

クリス 「…うっかり溶かせそうで怖いですね」

フレデリック  よって却下である。

フレデリック 「……いっそ、剣に訊いてみるか。応えるかどうかは知らんが」

フレデリック  そう言うなり、無造作に床に付き立った光の剣の柄を握り、引き抜く。

フレデリック  金属が震える冷たい音が響いた。

  

 

 

 

            キィ……

  

 

 

 

      まるで     

      共鳴するように

      二本の剣が、音を響き合わせる

 

      その響きは

      何処か、涼やかで

      旅立ちの日に相応しいような爽やかな風をはらんでいた

 

      人の言葉に解すなら

 

      こうだ

  

 

 

 

人よ、我らもまた星に返すがいい。幾万の同胞を抱く、静寂の中へ。

  

 

 

 

 

 

 

フレデリック 「――そうか」

フレデリック  ふ、と穏やかな笑みを浮かべる。

フレデリック 「お前らも帰りたいか。星辰の下、英雄たちの待つ帳の座へ」

 

 

 

           そう

           そして、彼らは

           星の海

 

           道なき場所から

           道を切り開く君達を見守るだろう

  

 

 

フレデリック  意を汲んだりと玉座に歩み寄り、対となるもう一振りも手にする。

フレデリック  ――どちらも手に、驚くほどしっくりと馴染む。

フレデリック  まるで使い込んだ愛用の剣か、名匠の打った業物のよう。

フレデリック  否、それも当然か。何故なら……

フレデリック 「ただ運命が来る、このときのために、待ち続けてきたわけだしな」

フレデリック  労りと優しさの混じる目で二振りの剣を見つめ……

 

 

 

          「――ありがとな。気が向いたら、この大地を見守ってやってくれや、レクスカリバーよ」

 

 

            星空の神殿に捧げるように。

            それを、掲げた。               

 

 

 

 

 

               それに合わせる様に

               杖を、夜空へと、掲げる。

  

                静寂。

  

               音は無く、静かな光が、2本の剣を包む。

               王の手の中で輝く、2つの光…

  

 

                   否

  

 

               それは、無数の聖痕の輝きが折り重なってできた、光

  

                 やがて、ひかりは、水の中に入れた角砂糖のように

                 静かに、さらさらと

                 夜空へと、零れ落ちて、溶けてゆく

  

               それは、静寂な、そして荘厳な光景

  

               ゆっくりと、二本の剣が、その形を崩してゆく

  

 

                さらさら、さらさら、と…

  

                 さらさら、さらさら

  

                  きらきら、きらきら

  

                    きらきら

  

                             …

  

 

 

  

  

クリス 「空が」

 

クリス いつ果てるともなく続くと思われた時間は、星詠みの声で途切れた。

  

クリス 「少し、にぎやかになりましたね」

  

クリス 夜空を見つめ、つぶやく

  

 

 

 

 

  

 

∵呪縛∵      Bind −               、

 

 

 

 

 

 

               ∵呪縛∵      Bind

  

  

 

 

 

 

  

              クリスだけではない

 

              空を見上げる、二人

              そう、クインシーとフレデリックもまた

              にぎやかになった空から、目が離せなかった

 

               携え、振るう事はなかったとはいえ

               自分達と共に

               歩み、そして旅立っていった

               戦友の旅立ちなのだ

  

  

 効果:クインシーとフレデリックの〈知覚〉を呪縛する

  

 

  

              今暫しの時だけは

              他の何かに眼を移す事を忘れ

              ただ、星だけを眺めるがよい

 

 

               それは、勝者に許された

               神のいた場所で、星空を眺むる

               最高の栄誉なのだから

  

 

 

 

 

 

 

  

GM-kuro シーンエンド

  

  

  

  

  

 

 

 

  

  クインシー@舞台裏 場所かー

クインシー@舞台裏 最初の教会か

クインシー@舞台裏 本拠地の教会か

クインシー@舞台裏 悩むね。

フレデリック@舞台裏 城じゃね?w

クインシー@舞台裏 人払いして、締め切って

クインシー@舞台裏 城か。

クリス@舞台裏 |っ・・)っ きゃっすーる

フレデリック@舞台裏 クリスも登場よね、やっぱ。

フレデリック@舞台裏 じゃあ俺は控えとこうかな。

フレデリック@舞台裏 全部に3人出るとありがたみが(ry

クインシー@舞台裏 そうですね

クインシー@舞台裏 クリスがいないと

クインシー@舞台裏 鎖解けない(笑

クリス@舞台裏 |っ・・)っ 出ないと魔神になっちゃうっ

クインシー@舞台裏 魔神クリス

フレデリック@舞台裏 まじんがー

クリス@舞台裏 Z

フレデリック@舞台裏 マジンガー乙!

クリス@舞台裏 |っ・・)っ なんて…悲しい名前なんだ…

クインシー@舞台裏  酷い話だ

 

  

 

  

 ■#

 ┣キャスト:クインシー

 ┗場所:任意

  

 

 

 

  

 「まさかここに来ることになるとは……」

 

 

   床にそんな言葉を落とす。   

   広い聖堂、たくさんの椅子、豪華な装飾のされた壁。

   一生入る事はないと思っていたが、いたのだが。

 

 「大聖堂に、破門された元司祭が入るとか、冗談にもほどがあると思いませんか」

 

   視線は微妙に下。

 

 

クリス『私は帰ってきたぞ大司教ー!』とか叫ぶのをちょっと期待したのですが」

クインシー 「叫びません」

クリス 「残念。しかしまぁ…場所としては最適ですね」

クリス そうでしょう?と、振り返る。その先にいるのは…

  

GM-kuro バルザック「そうですな。それに…」

GM-kuro ふ、と

GM-kuro 深い年輪の刻まれた顔を綻ばせ

GM-kuro バルザック「クインシー殿がこの場に似合わぬとは、私はさして思いませんな」

GM-kuro そういった

  

  クインシー@舞台裏 俺の味方が誰もいない。

クリス@舞台裏 |っ・・)っ ここにいるよ…

 

 

クインシー 「………」

クインシー  眉間にしわを寄せて、額を押さえる。

クインシー  胃薬はどこにいったか。

クインシー  いや、頭痛薬か。

クリス バルザックの言葉に、同意するように頷く魔術師。

クリス そしてふと、かの人はいかなる表情で息子を見ているのだろうと、視線を向ける。

  

GM-kuro グレゴリオ「………」

GM-kuro 厚い信仰心を称えた瞳の奥を

GM-kuro 見通す事は出来ない

GM-kuro ただ、そこには

GM-kuro 破戒僧を咎めるような

GM-kuro 怒りの色は篭っていなかった

GM-kuro 静かに見守る、正に巌だ

 

クインシー  深く深く嘆息し、俯けていた顔を上げる。

クインシー 「さて……」

クインシー  祭服を意味もなくいじりながら

クインシー 「わざわざ忙しい中ここに来ていただいたのは、」

クインシー 「お二方の鎖を、解けないものか、と思ったからですが」

 

GM-kuro その言葉に

GM-kuro バルザック「うむ。しかし…そのような事が可能なのであるか。俄かには信じがたいが…」

GM-kuro クインシーをよく知るバルザックでも

GM-kuro 流石に首を捻るような難事である

クリス 「えぇ、フィニスか魔神になるのも割と覚悟していたわけですが」

クリス 同じく、頷くクリス。

クインシー 「クリスを討伐するのは少々気が咎めますね」

クインシー  微妙に視線をはずしつつ。

GM-kuro バルザック「はは、流石の破戒僧も友には弱いというわけですかな」

クリス 「ふふふ、そう言って貰えるのはうれしいですね」

GM-kuro 重苦しい空気に自然な軽口

クリス それに応える様に、明るい笑みを浮かべ

クリス 「して、我が友。その方法とは?」

クリス 尋ねる。

 

 

クインシー 「方法というか、何と言いますか……」

クインシー  片手で何かを掴むような仕草を繰り返し、

  

クインシー   ──我らが神よ 我らに慈愛と許しを与えたまえ

  

クインシー  じゃらん、と鎖の擦れる音が聞こえた。

  

クインシー 「掴んで、解きます」

クリス 「成る程、シンプルで分かりやすい」

クリス に、と笑い。

クリス 「では、お手並み拝見、と行きましょうか」

 

クインシー  真黒の鎖を握り締め、

クインシー 「さて、見れる様な物かどうか」

クインシー  常と同じ調子で言葉を返し、          。

  

  

  

風は世界を巡り 答えを求め               。

 

               。──語り部なる精霊は 理と共に

 

被造物は 母なる方の御手の中に               。

 

               。──星の司祭は 聖女と歩む

 

冠頂く者は 境界越えず               。

 

               。──頂を征くものは 境を破り

 

不壊なるは 永久の絆               。

 

               ──聖なる絆は永久に結ばれ

 

炎の幻影 揺らめく先に               。

 

               。──水と炎は光と遊び

     

法を定めし 軸がある               。

 

               。──命と真理は娘の御手に

 

  

 

 

   

クインシー  続いて出てきたのは、詩篇である。

クインシー  真書の片隅に記されている、一節、

クインシー  それを呟きながら、鎖を静かに手繰る。

  

 

 

 

剣を振るうは 涙の為か               。

 

          。     ──変革者は水面を見つめ

 

隅に控えし 道具は眺める               。

 

               。──調停者は門を守る

 

形なき獣は 星を見上げ               。

 

               。──大空翔るは不定なる獣

 

月は静かに道を照らし               。

 

               。──流れを統べるは天の瞳

 

太陽は道を焼く               。

 

               。──炎は世界を遍く覆い

 

しかし松明握り歩む道は               。

 

               。──原初なる炎は空にあり

 

永久に螺旋を描く円環               。

 

               。──刻は夜を過ぎ進む

 

 

 

 

       じゃらり、じゃらりと音を立てて、黒い鎖は数を減らす

 

          未練がましく纏わりつくが、

 

             それもやがて、光に消える

  

 

 

GM-kuro バルザック「! こ、これは……」

  

GM-kuro さしものバルザックの目の前の光景に驚きを隠せぬ様子で思わず声を上げ…

  

  

  

  

  

  

             我らが神よ 永久の旅人なる我らに慈愛と許しを与えたまえ

              行くあてなく彷徨う咎人に 救いの道を与えたまえ

               風に吹かれて流れる砂塵がごとく 報われぬ魂を導きたまえ

  

  

              願わくは 偉大なる母よ

  

  

                 貴方の“恩寵”のあらんことを 

  

  

  

クインシー  その言葉を最後に、クインシーは口を閉じた。

クインシー  バルザックを縛っていた鎖もその時には消えていた。

  

クインシー 「…はぁ」

クインシー  疲れたように吐息をひとつ。

 

GM-kuro バルザック「なんと…」

GM-kuro 驚きのままに

GM-kuro 自らの体から

GM-kuro 鎖の重みが消えた事を感じると

GM-kuro バルザック「なんという御仁か……。このバルザック、感服いたしましたぞ」

GM-kuro そう言って

GM-kuro 静かに、頭を垂れた

  

 

クリス 「お疲れ様です」

クリス 友の労いの言葉。

クインシー 「いえいえ」

クリス 「…ときに、もーすこし頑張る元気はありますか?」

クインシー  下を向き、小さく笑い

クインシー 「無論」

クインシー  肯定の言葉を返した。

クリス 「ふふ、今ほどクインを頼もしいと思ったことはありません」

クリス 嬉しそうな笑みを浮かべ

  

 

 

 

∵活性化∵ − Enhancement

  

 

 

 

クリス 「私の未来、フレデリックと、貴方に預けましょう」

  

クインシー 「預かりましょう」

クインシー  言って笑い、         

  

 

 

            ── O magna mater, magna clementis regina.

  

 

 

クインシー  聖句を呟く。

  

クインシー    じゃらりと音を立てて、鎖を手繰る。

  

 

   

 

  

          De profundis clamavi ad te, Domine. Domine, exaudi vocem meam. 

   

           Fiant aures tuae intendentes in vocem deprecationis meae. 

   

            Si iniquitates observaveris, Domine, Domine, quis sustinebit."

  

             Quia apud te propitiatio est, et timebimus te. 

   

              Sustinui te Domine. sustinuit anima mea in verbo eius, speravit anima mea in Domino.

  

 

 

 

 

  

          闇が光に解け消えていく

           嫌がるように纏わりつくも、

            静かに鎖は数を減らす。

  

 

  

  

         Gloria, reginae, et arcano, et matri.

 

 

                 Sicut erat in principio, et nunc, et semper, et in saecula saeculorum.

 

 

 

 

 

"Amen"

  

  

 

 

 

          闇の鎖は解けて消え

 

 

                          彼の魂は“再生”する──

  

  

  

  

 

 

  

                 その光景を

                 彼方の地より

                 見据える眼

                 数多の瞳を持つ巨人

 

                 オクルスのそのものが

 

                 全ての瞳を、笑みの如く細め

   

  

 

「かくて人は歩き出す。かくも辛き、神の知らぬ道を……ふふふ」

  

  

 

                         囁いた言葉は

 

                              闇に溶けた

  

  

 

 

 

 

                                                    Scene end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クインシー@舞台裏 怖い怖い怖い怖い

クインシー@舞台裏 どこのストーカー。

クリス@舞台裏 |っ・・)っ 魔神は見たっ

クインシー@舞台裏 ストーキングされてる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 ■#

 ┣キャスト:クリス

 ┗場所:任意

  

 

 

 

 

 

 

  

       ざーん       

  

 

        静かに、波音が木霊する。

        バルザック達を乗せた船は

        遥か彼方にぽつり、と見える程度まで遠のき

  

 

 

 

クリス 「…行ってしまいましたね」

  

クリス と少し後ろに立つ女性へと

クリス 振り返って声を掛けた。

  

 

 

GM-kuro スレイ「ええ」

  

GM-kuro 小さく頷いて

GM-kuro 風に靡く髪を抑える

GM-kuro その瞳には悲劇の色はなく

GM-kuro ただ、納得と

GM-kuro 時代を駆け抜けたことに対する、達成感が滲んでいた

  

 

 

クリス 「うーん、予想通りというか」

  

クリス そんな妹を見て

  

クリス 「動じてませんね」

  

GM-kuro スレイ「ええ、兄さんに慰められるほど女らしくはないもの」

GM-kuro そう言って、横に並ぶ

GM-kuro 何年ぶりであろうか

GM-kuro 兄妹がこうするのは…

  

クリス 「そうですね、うっかりそんなことして彼に殴られたら」

  

クリス くす、と笑い

  

クリス 「折角拾った命が消し飛んでしまいます」  

クリス  魔術師は、物理攻撃にはてんで弱いのである。

  

クリス 「さて、風が冷たくなる前に戻るとしましょうか」

 

GM-kuro スレイ「ええ…もうそんな季節だものね」

GM-kuro 寒さも熱さも忘れていた

GM-kuro そんな口調だ

GM-kuro 無理もない

GM-kuro 激動の時代とは、そういうものだ

  

 

クリス 「ふむ、毛布、たりますかね…」

  

クリス 元々、一人暮らし用に作った小屋である。

クリス 子供とはいえ、二人が入ると少々寒いかもしれない。

  

クリス 「そういえば」

  

GM-kuro スレイ「何?」

GM-kuro クリスの言葉に、ふと視線を向ける

  

クリス 「あの子の名前は、なんと?」

クリス まだ知らない事に気づき、問う。

  

GM-kuro スレイ「ああ…そういえば、まだ教えてなかったわね」

GM-kuro そう言って

GM-kuro にこやかに笑みを浮かべる

  

GM-kuro スレイ「…………よ」

  

GM-kuro そして

GM-kuro 囁かれた言葉を

GM-kuro 君はなぜか、忘れる事は出来なかった

GM-kuro それは、遠い未来に現れる王の名

GM-kuro 歴史の影に埋もれる王の血脈に

GM-kuro その名が授けられた運命の皮肉をどう表現すればよいのであろうか

 

  

 

 

 

 

 

アイルハルト

  

 

 

 

 

 

 

クインシー@舞台裏  (ι…x…)そっちかよ!

フレデリック@舞台裏

フレデリック@舞台裏

フレデリック@舞台裏 えwwwwwwww

GM-kuro舞台裏: (゜▽、゜)HAHAHAHA

GM-kuro舞台裏: いずれ同じ名前の王が

GM-kuro舞台裏: ハイデルランドを救うのだ

クインシー@舞台裏 悪が! 悪がここにいる!

フレデリック@舞台裏 こいつwwwwwwwww

クインシー@舞台裏 金色外套王と同じ名前!!

GM-kuro舞台裏: ぱすぁ

クリス@舞台裏 |っ・・)っ ああ、どんなリアクションをしようか迷うっw

フレデリック@舞台裏 きっと

フレデリック@舞台裏 星の運命が見える

フレデリック@舞台裏 ああ、時が見える・・・

クインシー@舞台裏  (ι…x…)星占い師はこういうとき大変だね(満面の笑み

 

 

 ( アイルハルト:ブレカナ世界におけるアーサー王伝説のアーサーのような人 )

 

 

 

クリス 後の歴史に

クリス 黄金外套王

クリス 激動の人生を送った英雄王として刻まれる名

  

クリス だが、今の彼らにそれを知る術は無く

クリス 星達もまた、夢の中にそれを見るのみである

クリス 故に

  

クリス 「ふむ、星達が少し騒いでいますね…ふふ」

  

クリス ふと、夜の帳の降り始めた空を見上げ

  

 

 

 

           「安心してください、スレイ、その子の行く道にはきっと」

 

 

 

           「星の祝福があるでしょう」

  

 

 

            極普通に、その名前を褒めたのだった。

  

  

 

 

 

  

           果たして          

 

           彼がごく普通の生を歩むのか

 

             それとも父の如く

 

              あるいは母の如く

 

               歴史の闇に、その生き様を刻んでいくのか

 

               それは、いかな星詠みにとてみえぬ

 

               不確定な未来であった

  

  

 

 

 

 

 

 

                                                    Scene end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

  

 ■#

 ┣キャスト:フレデリック

 ┗場所:任意

  

  

フレデリック@舞台裏 んじゃあ後継者から好き勝手やるか

クインシー@舞台裏  (ι…x…)娘をどこからともなく連れてくるんですね

クインシー@舞台裏  (ι…x…)財務大臣です…借金返済が大変です……

クインシー@舞台裏  (ι…x…)金もなければものもありません……

GM-kuro舞台裏: わろた

クインシー@舞台裏  (ι…x…)何かしら産業を興して

クインシー@舞台裏  (ι…x…)もうけを出したいです。

クインシー@舞台裏  (ι…x…)ガラスとか活版印刷とか。

 

戦後。

フレデリック1世はその後始末に忙殺されることになる。

当然ながら、戦死者や戦傷兵、遺族や被害者への莫大な補償金もさることながら、

戦時中にほうぼうの資産家や貴族から借り受けた債務の返済などの問題もある。

が、ブリスランド城に文句を言いに来た貴族は、まず王の、

「金がねえ」

のひと言に愕然とし、次いで確かめに国の倉庫まで降りた際に、

「何もねえ」

という王の言葉の正しさを確認して顎と肩を落として帰って行った。

しかしフレデリックは戦後処理のためにさらに彼らに借金を重ね、さりとて現状のブリスランドの状態で権力を握っても甘い汁など見込めないため、手をこまねいて……そのうち、その大半が破産して路頭に迷うことになる。

これがフレデリック1世の策略なのか成り行きなのかは、意見の分かれるところである。

さらに終戦直後から、まだ傷も癒えぬ男衆を駆り出して、街道整備を始めとした公共事業に精を出し始める。

そんな、混乱と活気の入り交じる時期のことだった。

        

 

 

フレデリック1世が後継者を連れてきたのである。

        

 

 

先王の隠し子と称して連れてきたその子供が、果たして本当に正統な血筋を引いているかは、王本人同様、定かではない。

が、王に子供がいない現状においては、反対する理由がないのも事実。

臣下が集まる会議室にて、その威厳こそないが、好奇心に満ちた瞳の輝きを持つ子供の頭に手を置いて、フレデリックは満足げに頷く。

 

 

 

 

フレデリック 「というわけで、だ」

フレデリック  あまり説明になってはいなかったが、そう切り出す。

フレデリック 「教育係には、クインシーとクリス、お前らに任せようと思う」

クインシー 「ええ任せてください。完璧な金銭感覚を教育しましょう」

クリス 「ではとりあえず元力の基礎修行から」

 

フレデリック 「ま、こいつが知りたいと思ったことは全部教えてやんな」

クインシー 「好奇心が旺盛なのは良いことですからね」

クリス 「努力しましょう、ところでこのコはなんと呼べば?」

フレデリック 「おう。ちゃんと決めておいたぜ」

フレデリック  応じて頷く。

フレデリック 「――パトリシアだ。まあ、普段はパティでいいだろ」

フレデリック  無論、後の女王パトリシア1世の子供の頃の姿である。

フレデリック 「後見人には、そうだな……とりあえず教会にちょっかい出されんために、クインシー、お前と……バレリア!」

フレデリック  大声で呼びかける。

フレデリック 「お前が適任だ」

クインシー 「私ですか」

クインシー  口元を隠して小さく笑い

クインシー 「了解しました」

クインシー  至極簡単に請け負った。

フレデリック  そして、国民に人気の高い天馬騎士団団長。さらにフレデリックに対して、疑念は既に持ってはいないものの、公平な立ち位置を堅持するバレリアならば、文句は出るまい。

GM-kuro バレリア「…色々とお聞きしたい事はございますが、聞いても無駄でしょう。」

GM-kuro 憮然とした顔でにらみつけた後

GM-kuro バレリア「ですが、ここで信を裏切るようなまねはしますまい。お引き受けいたします。陛下」

GM-kuro そう言って頭を垂れる

フレデリック 「助かる。――ま、好奇心だけは人一倍だ。あちこち連れて、いろんなものを見せてやってくれや」

フレデリック  そういってぽんぽんと気安く頭を撫でると、少女はくすぐったそうに目を細めた。

GM-kuro バレリア「では早速。さ、姫、こちらへ…」

GM-kuro バレリアの実直な優しさがすぐにわかったのだろう

GM-kuro パトリシアは誘いに従い、フレデリックに手を振りながら彼女の後を追った

 

 

 

  フレデリック@舞台裏 さて

フレデリック@舞台裏 場面を切り替えて、親父と決別しようか(ぇー

クインシー@舞台裏  (ι…x…):;;∴∵

クインシー@舞台裏  (ι…x…)ぉ、

フレデリック@舞台裏 割とすぐなんだよ!w 破門されたの!w

クインシー@舞台裏  (ι…x…)ぉぅヶぃ

クインシー@舞台裏  (ι…x…)親父と決別するか!

 

 

 

この時期、ブリスランド王国が順風満帆であったかというと、無論そんなわけもなく。

兆候は戦時中からあった。

教会勢力が多く所属するブリスランド解放戦線は――

破天軍がその戦力を充実させていくにつれ、じわじわとそのポジションを後方へと押しやられていた。

無論、医療班などを始めとして後方支援は非常に重要な役割だが、

フレデリック本人をはじめ、他の諸将の華々しい戦功に比べると、その活躍が精彩を欠いていたのは事実であり、

血気にはやる若者の不満や、勢力拡大や戦後の莫大な見返りを期待していた権力欲の強いものたちの不興を買った。

 

指導者グレゴリオはそれらの欲求からは完全に無縁の存在であったが、彼らの嘆願や要求を無視できず、幾度もフレデリックに上申の旨を願い出、そのたびに却下されては衝突を繰り返していた。

いずれどちらかが折れるか、或いは決別するか、既に時間の問題と思われていた矢先……それは起きた。

     

 

 

フレデリック1世からの、真教新派・ウェルティスタントの、ブリスランド国教化である。

     

 

 

 

GM-kuro 一報を受けてブリスランド城に駆けつけたグレゴリオの顔には、苦渋を微かに滲ませた巌の表情があった

GM-kuro その顔を見れば、彼の携えた書状がなんであるか

GM-kuro 誰もが理解したであろう

GM-kuro そう…破門状である

  

 

     フレデリック1世は、玉座には結局一度も座ることがなかったという。

     故に、教皇からの破門状は、謁見の間ではなく、簡素な執務室にてフレデリック王に渡された。

 

 

フレデリック 「後手に回ったんだよ、教会は」

フレデリック  行儀悪く机に脚を載せ、太々しいにもほどがある態度でそう告げた。

 

 

GM-kuro グレゴリオ「愚かさにしがみつくのもまた信仰なれば、やむをえぬこと」

GM-kuro そんな王の態度を咎めるでもなく

GM-kuro グレゴリオ「しかし、王としての貴方の采配は見事なものでありました。それは認めるほかありませんな」

GM-kuro そもそも、書状を持ち込む使者など

GM-kuro グレゴリオでなくともよかったはずだ

GM-kuro それが、彼自ら来たという事は

GM-kuro その言葉を届けに来た、と言う意味と…

GM-kuro グレゴリオ「私は愚かしいほどの信仰を貫きましょうぞ。我らが頭を垂れるは大いなる神、その人のみでありますゆえに」

GM-kuro 王に決別を言い渡す事で

GM-kuro 古き世と、愚かしい信仰にしがみつく者達への

GM-kuro 慰めにしようという腹もあるのだろう

 

フレデリック 「あんたを懐柔しようとは思わん。その生き様は好きだしな」

フレデリック  だが、妥協は出来ない。

フレデリック 「実はな、決定的だったのはあんたが原因じゃない。実はな、先月、代表者のあんたを通さず、総本山から非公式の使者が来た」

フレデリック  あくまでも飄々と告げる。

フレデリック 「で、まあ、あからさまな脅しをかけてきたから、けんもほろろに追い出したら、その夜に俺の部屋にくせ者が入ってきてな」

フレデリック  肩を竦める。結末は言うまでもない。

GM-kuro グレゴリオ「そうでありましたか」

フレデリック 「腐敗した宗教は害毒でしかない。それを取り入れることは出来ねえよ。世話になったあんたと……あんたの息子には悪いがね」

 

GM-kuro その言葉に、深々と頭を下げる

GM-kuro グレゴリオ「私の事は御気になさらず。此度の苛烈なる判断の真相、お話していただけたことに感謝致します」

GM-kuro そして

GM-kuro 顔を上げた時

GM-kuro そこにあるのは、ただ純粋な信仰

GM-kuro グレゴリオ「私はそれでも、腐った枝を取り続けましょうぞ。腐敗に巻き込まれ、落命する事となろうと、それもまた神の導きゆえに」

GM-kuro だが

GM-kuro その道を

GM-kuro クインシーにまで押し付けようという素振りは

GM-kuro 彼には、なかった

 

フレデリック  そしてフレデリックもまた、それを笑うことなどするはずがなく。

フレデリック 「まあ、その代わりってわけでもないんだが」

フレデリック  僅かに重量を減じた口調で、

フレデリック 「新派の元締めな、クインシーに任せようと思うんだわ」

フレデリック  あっさりとそんなことをのたまった。

フレデリック  ちなみに誰かの前で口にしたのは初めてである。

GM-kuro グレゴリオ「…そうですか。なるほど、あれならば適任でしょう」

 

クインシー  その瞬間、

クインシー 「待ってくださいフレデリック!」

クインシー  ノックもなしに思い切り扉を開いて、当の本人が飛び込んできた。

クインシー  ちなみに片手には書類の束である。

フレデリック 「おう、ちょうどいい。そういうわけで頼まあ」

クインシー 「何ですかそれは! 初耳ですが!」

フレデリック 「今初めて言ったもん」

クインシー 「言ったもん、じゃないですよ!」

クインシー  執務机に書類の束をたたきつけて言い返す。

フレデリック 「能力は十分。金銭欲なし、女に興味もなし、賭博もやらねぇ。おまけに教会に対して懐疑的と来たもんだ。選ばねぇほうがおかしいだろうが」

フレデリック  言っていることは至極真っ当。ただし手順が致命的に間違っている気もする。

クインシー 「ぅ……いや、ですが……」

フレデリック 「あと、ぶっちゃけ金がない。権力を増やされたら困るが、教会からの収入は欲しい」

フレデリック  全て台無しにするひと言。

クインシー 「相変わらずいらんところ正直ですね」

フレデリック  人、それをわがままという。

クインシー 「正直は美徳ですが、限度がありますよフレデリック」

フレデリック 「死ぬほど嫌なら無理にとは言わん。が、俺は味方だ。王ではなく、この俺がな。不満か?」

クインシー 「………」

クインシー  心底から嫌そうな顔をして、額を押さえて下を向く。

フレデリック 「あとはまあ、お前が決めろ。どっちを選んでも悪いようにはしねえさ」

クインシー 「……しばらく考えさせてください」

フレデリック  あとは我関せず、とばかりに手を頭の後ろで組んだ。

フレデリック 「おう」

フレデリック  あっさりと頷いて、窓のほうを向く。

 

GM-kuro グレゴリオ「貫くがいい、お前の信仰を」

GM-kuro そして

GM-kuro クインシーの肩に

GM-kuro 刹那、父の手が置かれ

GM-kuro 一つ言葉を残し、

GM-kuro すぐに、離すと――踵を返す

 

クインシー 「見れる様な道を、歩きますよ───父上」

クインシー  その背に向かって、言葉を返す。

 

GM-kuro その瞬間、父の背が何処か、小さく見えた

 

 

 

 

        道は分かたれた       

        交わることはもはやない

 

 

         後悔? するはずがない

         振り返ることなど、出来るはずがない。

 

               出来ることは、己の信じる道を歩む事のみ

 

 

 

 

 

     「嫌いじゃあねえんだ。旧派がみんな、あんたみたいなのばっかりなら、俺だってこんな面倒は御免だったさ」

 

 

      呟いた言葉が、果たして誰の耳に届いたものか……

 

 

                     結末は、神のみぞ知る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                    Scene end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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