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時は西方暦800年
ブリスランド軍は、ハイデルランド軍は
平和を謳歌していた、ブリスランドの地を互いの血で染め上げた
数多くの騎士が死に
数多くの民が嘆き
やがて――
一つの国の敗北
ブリスランドの陥落によって
その戦は幕を閉じる
だが
その最中
大いなる戦の炎の中で、一筋の光を放つ
刻まれし者達の生き様を、紐解くとしよう
ブレイド・オブ・アルカナ
ブリスランドサーガ
『終わりと始まりの狭間で』
アルカナの刃よ、定められし運命を打ち砕け
GMは(ι ´▽`)でお送りします
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Introductory Stage
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■#1
┣キャスト:バテン
┗場所:思い出の港町
君は、この港町を知っている
今から3年前
友と共に、この町を訪れ
ここを足掛かりに、ブリスランドと言う国を知ったのだ
だが…
ぱち ぱち
火の粉が今だ、辺りに漂い
活気のあった市場は見る影もなく荒れ果て
所々に、うちすてられた骸の転がる
その光景は
君の思い出とは、どうにも重ならぬものであった
それは戦乱。
寧ろ見慣れた風景。
この男の来た場所は、もっと凄惨な戦場など星の数ほどあった。
……だからこそ、この場で最も望まれることが何か、重々承知もしている。
バテン: ぱん、と一つ手を打つ。
「さあさあ、元気出しなよ皆の衆! 本日は出血大サービスだ、持ってけ泥棒! 教会の施しで腹ァ膨らませたら、今夜は毛布でお休みだ!
安いよ安いよ……!」
GM-kuro@舞台裏:ゲェーッ!!!
GM-kuro@舞台裏:アンタ何してんのぉーッ
クインシー@舞台裏:まあ、ある意味正しい行動ではある(笑
GM-kuro@舞台裏:貴様民間レベルで
GM-kuro@舞台裏:支持率をあげておくつもりか
GM-kuro@舞台裏:なんという男だ
バテン: 殊更に明るい口調。
バテン: 呼びかけているのは愛嬌のある笑みを浮かべて商人のような装束に着替えたその男。
バテン: その背後には、先日よりあちこちからかき集めた物資が山と積まれている。
バテン: どれもこの3年、あちこちを渡り歩いて得たコネから取り寄せたものだ。
バテン: 周囲の戸惑いを他所にさらに続ける。
「おや、子供に与える服がない? それじゃあひとつ、アルテアナ商会から送られてきたこの服だ。
見た目は地味だが兎に角頑丈で、旅装束にも使われるくらい保温性も抜群! 今なら相場のなんと半分以下!
今買っておけば、ずっと着られる、どうだい奥さん!」
バテン: 子供を抱えた母親にはそう笑いかけ、
「おいおい、そんな汚い布を使ったんじゃあ傷は悪化する一方だ、清潔な布ならやっぱり南方のキトラ産だろ、
キメも細かいから痛みも少ない! ついでに薬もつけてご奉仕だ!」
バテン: けが人たちには、死人も飛び起きそうな声で呼びかける。
GM-kuro@舞台裏:君は
GM-kuro@舞台裏:アレだな
GM-kuro@舞台裏:そのまま
GM-kuro@舞台裏:商人になりそう
クインシー@舞台裏:良い君主はよい商売人です
バテン: ちなみにこの商品の大半は「借り受けた」という名目で取り寄せたため……
バテン: こんな馬鹿な値段で売りさばけば、完売したところで借金になる。
バテン: だが商会にしてみれば名が上がることには違いなく……
バテン: それを証拠にそれ、見るがいい。
バテン: 戦乱の夜を越えて、憔悴しきった顔の住人たち。
バテン: それが一人、また一人と彼の周囲に集まり始める。
バテン: 流石に笑顔はすぐには戻らぬ。が、それでも、一人が手を挙げて毛布を求めた。
バテン: 皮切りに、服を、包帯を、薬を、山羊の乳を、次々と求め出す。
戦乱を齎す者があれば
荒れ果てた土地に
活を見出すものもいる
今、ここで商売をしている男などは
後者であろう
荒れれば、荒れる程
その男の放つ力と言うものが、活きる
そういう性質の人間はいるものだ
だが、哀しいかな
それは
戦乱と言う炎に照らされてこその輝きとも言える
炎を齎した男と
炎に照らされる男
彼らは目の前におらずしてなお
互いに向き合うかのように、鏡のような関係にあった
バテン: とりあえず売れ出した露店は、臨時に雇った売り子に任せ、荷物の影にふと寄りかかる。
バテン: 「……しかし何だな、この戦」
バテン: 見上げる先、未だ空には黒い煙がもうもうと上がる。
バテン: 憂いという寄り思慮にふける顔で、呟く。
「さて、あいつはこの乱をどこで見ていることか……内か? それとも……」
声は
ぱち ぱち
舞い上がる火の粉に
嘲笑われるよう
虚空に消えた
Scene end
■#2
┣キャスト:クインシー
┗場所:ブリスランド
戦争の傷痕は悲惨だ
流れ出る血は
多くの敗残兵
脱走兵を生み出して
秩序を失った
力だけを余らせる暴徒を産む
自然、彼らは
山賊まがいの暴走で
正規軍の目の届かぬ場所で略奪の限りを尽くした
そう、それは
クインシーと言う男のいる場所でも
行われている景色だった
クインシー: 元から荷物などほとんど持っていない以上、自分が逃げるのは簡単だ。
クインシー: そう。自分だけなら。
クインシー: 「逃げられたなら、いまこの現状はなかったでしょうね……」
クインシー: 殺気だった敗残兵に、袋小路に追い詰められで、憂鬱そうにそうぼやく。
クインシー: 何故こうなったのか。
クインシー: 理由をあげようと思えはいくらでもあげられるだろう。
クインシー: 襲われていた女性を庇ったとか。
クインシー: 子供を逃がしたとか。
クインシー: 兵士をどつき倒したとか。
クインシー: 命の危険が迫っているのに余計な事を考えているのは、
クインシー: どうにもならないと達観しているからか、はたまた別の理由があるのか。
クインシー: 兎にも角にも、今は目の前の危険を何とかしなければ。
GM-kuro: 敗残兵
GM-kuro: いや
GM-kuro: 山賊崩れの掲げる
GM-kuro: 刃こぼれした槍が
GM-kuro: 下卑た笑みとともに君の喉元に突きつけられる
GM-kuro: 何時でも
GM-kuro: 君の命など奪える
GM-kuro: そういうパフォーマンスだ
GM-kuro: 周囲の山賊崩れたちも
GM-kuro: みな、一様にニヤニヤした笑みを浮か
GM-kuro: 山賊「べぶしぃっ!?」
GM-kuro: 奇怪な叫びとともに
GM-kuro: 山賊の一人が
GM-kuro: 首を奇妙な角度に曲げながら
GM-kuro: 吹き飛んでいった
GM-kuro: より正確に言うなら
GM-kuro: 横合いからたたきつけられた槍の柄で
GM-kuro: 吹き飛ばされたのである
GM-kuro@舞台裏:アクトタイトルが
GM-kuro@舞台裏:世紀末救世主伝説バルザックに
GM-kuro@舞台裏:変わりました
GM-kuro@舞台裏:(変わりません
バテン@舞台裏:You are SHOCK!
クリス@舞台裏:ばるざっく「バルザック槍術は一子相伝の暗殺術」
(編集者注釈:昔懐かしの漫画ネタです)
GM-kuro: 「えっ?」
GM-kuro: 山賊たちは
GM-kuro: みな、一様にそんな顔を見せた後
ズバシュッ
GM-kuro: 再び横薙ぎに払われた槍の一撃だけで
GM-kuro: 叫び声一つ上げることなく
GM-kuro: みな、綺麗に絶命した
GM-kuro: 冗談のような光景だが
GM-kuro: いくら山賊崩れとはいえ
GM-kuro: こんなまねが出来る人間と言うのは
GM-kuro: 冗談のような武勇を誇っていることが
GM-kuro: 君にも理解出来る
GM-kuro: そう
GM-kuro: 目の前にいる
GM-kuro: プレートアーマーの、騎士の仕業だ
GM-kuro: 厚い兜により
GM-kuro: その人相は見て取れないが
GM-kuro: 巌…
GM-kuro: いや
GM-kuro: 一つの城砦を目の前に置かれたような迫力がある
城砦の騎士「ご無事かね。神父殿」
GM-kuro: そして
GM-kuro: 城砦が、巌のような声を発した
クインシー: 「命を救っていただいたこと、感謝いたします。騎士殿」
クインシー: そういい、一礼。
GM-kuro: 城砦の騎士「なに、これも主命である。戦のどさくさに紛れ、率先して民を傷つけるような輩は最早騎士にあらず」
GM-kuro: 城砦の騎士「正々堂々、騎士としての最期を迎えさせる必要もない。見つけしだい、粛清するよう仰せ付かっておるゆえな」
GM-kuro: そう言うと
GM-kuro: 山賊たちの骸を兜越しに睥睨し
GM-kuro: 城砦の騎士「無論、それを抜きにしても。貴殿のように勇敢なる者の命を救うのは騎士として是非も無し。
近くの村の者達が、貴方に礼を言っていたぞ。」
GM-kuro: 君に視線を戻すと
GM-kuro: 兜の向こうで、微かに笑みを浮かべたような雰囲気
クインシー: 「はて、感謝されるような事をした覚えは無いのですが」
クインシー: 顎に手をやり、首をひねる。
GM-kuro: 城砦の騎士「はは、なるほど。貴殿はそういう御仁であったか……いや失敬。では、感謝される事などなかった。そういう事にしておこう」
GM-kuro: その言葉とともに
GM-kuro: 彼は、控えさせていた馬に跨ると
GM-kuro: 後続から追いついてきた
GM-kuro: 同様の任を受けていると思しき騎士たちに
GM-kuro: 二、三指示を出している
GM-kuro: 彼らの盾に刻まれた紋は
GM-kuro: 君も、見覚えがあるようで
GM-kuro: 少し、違う
GM-kuro: 天秤
GM-kuro: 太陽
GM-kuro: 月
GM-kuro: それらを斜めに切り裂くような位置に
GM-kuro: 一振りの剣が誂えられている
クインシー: その紋を見ても表情一つ動かさず、
クインシー: 指示が途切れたころを見計らい、
クインシー: 「騎士殿、名を御聞きしてよろしいですか」
クインシー: そう、声をかけた。
GM-kuro: その言葉に、視線を向けると
GM-kuro: 城砦の騎士 → バルザック「ハイデルランド王に仕える騎士。バルザックと申す。」
GM-kuro: そう、答えた
GM-kuro: 侵略軍の将であることを隠さず
GM-kuro: 何の言い訳もせずに
GM-kuro: 己の名を述べたのだ
GM-kuro: それは、彼の覚悟と忠誠の表れであろう
クインシー: 「私はクインシーと申します」
クインシー: 礼を述べ、自分も名を告げる。
GM-kuro: バルザック「クインシー殿か。その名、覚えておこう」
GM-kuro: そう言うと
GM-kuro: 彼は、踵を返し
GM-kuro: 見事な手綱捌きで、その場から立ち去ってゆく
GM-kuro: その背に、クインシーが見出したものはなんであろうか?
巌、忠義、城砦。
受けた印象は様々。
ハイデルラントの将。忠義の騎士。
「バルザック卿、か…」
未だ仕えるべき主なき男は、将の名を刻み込むように呟いた。
Scene end
■#3
┣キャスト:クリス
┗場所:ブリスランド
港から見る海は
未だに、拭い去れぬ悲しみに染まっていた
凪いでいる、穏やかなように見えても
この海で
幾百、幾千の兵が
竜の放つ闇に呑まれ
その命を散らした
バテン@舞台裏:そりゃあ
バテン@舞台裏:竜なんぞ持ち込まれた日には
バテン@舞台裏:ミサイルで遠方からフルボッコにするようなもんだw
クリス@舞台裏:|っ・・)っ 戦艦大和VS大陸間弾道ミサイル
人々は
何故、そのような
強大な存在が
ハイデルランド軍に従うかのような行動を取るのか
全く理解できず
口々に、畏怖を滲ませた噂話を口にする
だが…
大半は、根拠のない憶測に過ぎない
しかし
たった一つ
様々な噂に共通する点が一つある
宝石の如く美しい竜の背に
これまた、美しくも凛々しい黒髪の女性が佇んでいるというものだ
人々は口々に言った
彼女は黒竜を導き、死を振り撒く暗黒の魔女であると
名も知られぬ、ただ恐怖の象徴として語られる
その女の正体を
君だけは
確信していた
そう…
ざーん
ざーん
クリス: 海は、日々変わることなく、波止場に打ちあがっている
クリス: この向こうで、何千もの命が散ろうと、変わりなく
クリス: 「スレイ…」
クリス: 波の音を聞きながら、その惨劇の主…そして、妹の名を呟く
クリス: 目を閉じ、ありし日の彼女を思い浮かべる
クリス: 引っ込みがちな自分と違い、快活な娘であった
クリス: クリスを陰とするなら、スレイは陽…
クリス: 元力は全く逆の力が発言していたが。
クリス: (…よく、元力操作を悪戯に使っていましたね)
クリス: 人の食べ物をこっそり取っていくのは勘弁願いたかった…もとい
クリス: しいて同じところがあるとすれば
クリス: その凛とした美貌と…胸に燃える正義感だろうか
クリス: 結果、クリスはセプテントリオンへと入り、スレイは…
クリス: 「…そこで、貴女に何があったというのです?」
クリス: スレイのいた、海へと問いかける…答えは、はじける波の音だけ
ざーん
「兄さんにはわからないわ」
ざーん
GM-kuro: 波の音に混じって
GM-kuro: 彼方から
GM-kuro: ありし日の、血を分けた妹の声が聞こえた気がした
GM-kuro: それは、幻想だろうか?
GM-kuro: スレイ「昔から、私の事――…何一つ、わかっていなかったもの」
GM-kuro: いや
GM-kuro: 違う
GM-kuro: 彼方ではない
GM-kuro: 背後から
GM-kuro: 確かに存在する、声が聞こえる
クリス: 「そうですね、貴女のお菓子の隠し場所は、結局一つも分からないままでした」
クリス: スレイの言葉に、そう応えてから、ゆっくりと振り返る
GM-kuro: そこには
GM-kuro: 昔より成長し
GM-kuro: 美しい女性に育った、
GM-kuro: 紛れもない、君の半身がいた
GM-kuro: スレイ「出てきたのね。日向に」
GM-kuro: そう言って、微かな笑みを浮かべる。
クリス: 「太陽は、相変わらずまぶしいです」
ざーん
ざーん
GM-kuro: 波の音に混じって
GM-kuro: スレイが、歩みを進める
GM-kuro: 君と並んで
GM-kuro: 海を眺めると
GM-kuro: スレイ「出てこない方がよかったのに」
GM-kuro: 視線を合わせぬまま
GM-kuro: スレイ「だって」
GM-kuro: スレイ「私が兄さんを、殺さないといけなくなるから」
GM-kuro: 決然と
GM-kuro: そして、ごく当然のようにそう言った
クリス: その言葉に、しばし瞑目し
クリス: 「けれど、もう日陰に戻ることはできません」
ざーん
クリス: 「私が出てきたのは…」
ざーん
クリス: スレイの方を振り返り
クリス: 「もう二度と、貴女を失いたくないからです」
ざーん
GM-kuro: スレイ「兄さん」
ざーん
「やっぱり、まだ妹離れ出来ていないのね」
ふふ、と
笑みを交えて
黒竜の魔女は、そんな言葉を漏らした
Scene end
GM-kuro@舞台裏:因みにここは
GM-kuro@舞台裏:バテンが
GM-kuro@舞台裏:商売王バテンとして
GM-kuro@舞台裏:第一歩を踏み出した港と同じ場所なので
GM-kuro@舞台裏:非常に近い場所にいますね。今>バテンとクリス
クインシー@舞台裏:俺だけ遠い
GM-kuro@舞台裏:根性で追いついてください
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