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Act Trailer 

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長い、長い雨が降っていた

 

 

 

1時間の降水量、50mm

 

大雨警報は一日中点灯

 

湿度は90%を下回ることはなく、

 

午後の降水確率も、100

 

 

 

 

その日、

 

 

N◎VAの街には雨の音だけが響いていた

 

 

 

 

 

Tokyo N◎VA the Datonation

 

-難攻不落大戦- Side:“灰羽の蛇”

 

【   ――涙雨――   】

 

 

 

 

空が泣いてるみたい、と、誰かが言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

かくて、運命の扉は開かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

   

   

   

   

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Opening Faze

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  シーン1 シーンプレイヤー:零一

  ┗シーンカード:レッガー

 

 

 

 

 (Itta-RL) 『――午後の降水確率は100%。酸性濃度も大変薄く、危険域を大幅に下回っています。続いて週間予報です――』

 (Itta-RL) 退屈な天気予報がDAKから零れる。

 (零一)                        「………。」

 (零一) 窓ガラスの外を滴る雨垂れを眺めるとなしに眺めている。

   

 (Itta-RL) 一日中、やまなかった雨は、太陽を地上の人々から遠ざけた。

 (Itta-RL) ガラスには水幕。

 (Itta-RL) そこから見えるN◎VAの街は、まるでサカナのいない水族館の水槽よう。

 (Itta-RL) ――否、或いは。

 (Itta-RL) “こっち側”こそが水槽の中なのか。だとしたら客のいない水族館のサカナは、こんな気分なのかもしれない。

 

 (零一) 「………………。」

 (零一) そんな取り止めのない事を考えていると、

 (零一)                    Grrrr………

   

 (零一) 「…。ああ、大丈夫だ。眠い訳じゃない。」

 (零一) 明かりのついた室内。

 (零一) 本来は影なんて出来ようもない、ちょうどの少ない部屋。

 (零一) それなのに、その“虎”は、“影”の中に潜んで、主に鳴いて聞かせた。

   

 (零一) 「無理はしていない。………わかっている。」

   

 (零一) ───正確には、『している心算は無い』だと、周囲は指摘するだろう。事実本人はそう思っているのだから。

 (零一) ぽん、と虎の頭に掌を乗せ、ぐしゃりとかき回すと、固まった体を解すために椅子から立ち上がった。

   

 (Itta-RL) ――雨音はまるで規則性がないハズなのに、聞き入っていると不思議とリズミカル。

   

 (Itta-RL) だから、だろう。

 (Itta-RL) そこに紛れた異音は、ひどく目立った。

   

             ――コンコン

   

 (Itta-RL) ノック。

 (Itta-RL) CDな挨拶。――人によっては、ただの雑音ととったかもしれない。(何せ、きょうびノックだ)

 

 

(呼縁@舞台裏) ノック…古風ですね()  

 (RL行ったきり男@舞台裏) DAKを使わず、ノックをする来客さw  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)HAHAHAw  

 

 

 

 (零一) 「───?」

 (零一) 声で確認するよりも早く、生きている左目で其方を見るより早く、

 (零一) “行ったりきたり-flip-flop-”している[意識体-GHOST-]がカメラ越しに扉の向こうを視認───

   

 (Itta-RL) ――画像に映し出されたのは、フードを目深に被った――恐らくは――男。

 (Itta-RL) ただ、その腕の中にも人がいる。

 (Itta-RL) ぐったりと俯いているが、長い髪から女性なのかもしれない、と思う。

 (零一) 「………開いている。」

 (零一) 相手が何者かは兎も角、あの様子ならどちらが襲ってきても、対処は可能だろう。

   

 (Itta-RL)    ――許可を得た男が入ってきた途端、傍らの虎がわずかに落ち着かなくなる。

   

 (Itta-RL) 男「――“灰羽の蛇”の神城零一だな」

 (Itta-RL) 問う声は低く。

 (Itta-RL) かすれた声は若く、しかし込められた意思はまるで幾星霜を生きた老人のよう。

 (零一) 「如何にも。“01”で結構───用向きを、聞こう。」

 (Itta-RL) 男は頷くと、腕の中の少女――そう、少女だ――を無造作に、しかし決して手荒にではなく差し出す。

 (Itta-RL) 男「――この娘を“灰羽の蛇”の下に」

 (Itta-RL) 同時、鼻を突くわずかな血臭。

 (Itta-RL) 濡れた銀色の髪に包まれるように、少女は目を閉じている。

 (零一) 「………………。」

 (Itta-RL) その全身の至る所に、銃創や爪痕と思しき無数の傷。

 (零一) 「………理由を、問うて良い、か?───聞かぬ方が、良いか?」

 (零一) その少女を、

 (零一) ゆっくりと受け取り、

 (零一) その体温がまだ、手遅れでは無いか確かめながら

 (零一) 尋ねる。

 (Itta-RL) 男「己(おれ)は詳しいことは知らぬ。友との契りにより、この娘をお前に――“蛇”に預けること。

長く遅れてしまったが、ようやくにして果たせた」

 (Itta-RL) 少女の身体は冷えていたけれど、傷そのものは決して深くはない。

 (Itta-RL) ――ただ、その姿は。

 (Itta-RL) 傷だけではない。全身に無数の紋様が浮かび上がったその姿は。

 (Itta-RL) 少女がただの人間ではないことを如実に示していた。

 

 

(RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)こないだのMAでは出せませんでしたが  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)魔性発現状態(ぁ  

 

 

 

 (零一) 「………………わかった。」

 (零一) 理由が言えぬ者、分からぬ者も、全て呑み込んできたのが“蛇”だ。

 (零一) なら、今度もそうするのが良いのだろう。

 (Itta-RL) その返事に、男の持つ硬質の空気がわずかに和らぐ。

 (零一) 「医者に見せても、平気か?」

 (Itta-RL) 男「任せる。人の世のことは御前のほうが詳しかろう」

 (零一) 「………ああ。お前は、如何する?」

 (Itta-RL) 男「役目は果たした。もとよりこの街は己のいる場所ではもはやない」

 (Itta-RL) そう答え、

 (Itta-RL) 男「その娘の名は、システィーナ・フォルトというそうだ。その娘に残された唯一のものだ。目覚めたのならば渡してやるがいい」

 (Itta-RL) その言葉を最後に、

 (Itta-RL) 男の姿が脈絡なく掻き消える。

   

 (Itta-RL)       《霧散》

   

 (零一) 「システィーナ………フォルト。」

   

 (零一) 確認するように、その音を口の中で転がす間に、

 (零一) 部屋の中で音を立てるものはなくなり、ふた度雨の音が部屋の中を支配しはじめていた。

   

   

   

   

    (零一@舞台裏) |っ−∀−)っ  

 (零一@舞台裏) |っ−∀−)_)) 斬

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)ういす  

    (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)ちなみに  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)こいつはもうこのアクトには関わってきませんw  

 (呼縁@舞台裏) 次回を待て、ですか()  

 (RL行ったきり男@舞台裏) そんなとこですw  

 (RL行ったきり男@舞台裏) |_の)まあ、この男の詳細、何一つ決まってないんですが(ぁ  

 (呼縁@舞台裏) 煤@ 

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)よくあることですね  

(海藍@舞台裏)  (ι…x…)我の中ではシスティーナの危機に出てきて、  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)やられると見た(最悪  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (の_の)  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)なに萌えてるんですか  

 (呼縁@舞台裏) いま、ちょっと心惹かれましたね()  

 

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

  シーン2 シーンプレイヤー:海藍

  ┗シーンカード:フェイト

   

   

 

 

 

 

 

 (Itta-RL)    ――その邂逅より、6時間前。

   

 (Itta-RL) 空は明るいのに、青色も太陽もどこにも見当たらない。

 (Itta-RL) 仰ぎ見れば百億の雨滴。

 (Itta-RL) 乳白色の空と灰色の摩天楼の谷間を滑り落ちるそれは、宝石のように美しい。

   

 (Itta-RL) 視線を下ろせば、今の空よりもなお白い建物。

   

 (Itta-RL) ――ヒルコ・アヤカシ、さらにその他の様々なアストラル能力を、非人道的な実験で研究している施設。

 (Itta-RL) よくある噂だ。

 (Itta-RL) だが、その中の真実の一つがここにあるわけだ。

   

 (Itta-RL) 調査時点で、ただの研究所にしては過剰な警備が施されていることは分かっていた。

 (Itta-RL) だから当然の判断として、裏口に回ったわけだが……

   

 (海藍) 「……当然警備もいれば、鍵もかかっていますねぇ」

 (Itta-RL) 警備員――警備兵というべきだろうか? やはりここにも立っている。

 (Itta-RL) 彼らの手にはXM42・最新型アサルトライフル。

 (Itta-RL) 警備目的にしては大袈裟な装備だ。

 (海藍)  首を傾げて、のんびりと、途方にくれた様子もなく。

 (海藍)  レインコートに雨が当たる。

 (海藍)  その下は当然いつもの衣装。

 (海藍)       ……とりあえず怪しいのは気にしない。

   

 (Itta-RL) その背に、

 

       トン、

 

 (Itta-RL) と、固いものが押し当てられる感触。

 (Itta-RL) ??「動くな。動かなければ命の保証はする」

 (Itta-RL) 渋い、そして聞き覚えのある声。

 (海藍) 「息もするなと?」

 (Itta-RL) ??「好きにしろ。判断するのは私だ」

 (Itta-RL) そう、こういうシチュエーションでよく出会う。

 (Itta-RL) このテの施設や人物を当たると、同じくらいのタイミングでかち合う厄介な男。

 (海藍) 「ところで何度目でしょう、貴方とこういう風に出会うのは」

 (海藍)  10回目までは数えていた。それ以降は特に気にしていなかったりする。

 (Itta-RL) ??「10回以上は数えていないな」

 (Itta-RL) ――同じコトを考えていたらしい。

 (Itta-RL) ??「ゆっくり振り向け。両手は挙げたままだ」

 (海藍) 「はいはい、両手は後ろで組んでゆっくり、と」

 (海藍)  言いつつ、ひょいと振り向く。

 

 (Itta-RL) もう見慣れたと言ってもいい顔がそこにあった。

 (海藍) 「相変わらず、愛想のない顔ですね」

 (海藍)  迷彩柄のレインコートに、いつもの大陸民族風衣装の人物がそう言ってくれる。

 (Itta-RL) 四十路に近づいた今も尚、力溢れる厳つい顔。短く刈られた灰色の髪。そして左目の上を走る大きな傷痕。

 (Itta-RL) ――“ディンゴ”クガ。

 (Itta-RL) 「貴様こそ、あいも変わらず奇抜なナリだ。それではいつ職務質問をされても文句は言えんな」

 (Itta-RL) 鼻で笑いながら、拳銃をホルスターに戻した。

 (海藍) 「店に居るときは特に問題ありませんので」

 (Itta-RL) クガ「ならば店に引っ込んでいることだ。そうなれば巻き込まれることもない」

 (Itta-RL) 言って、

 (Itta-RL) 右の耳に装着されたヘッドセットに囁く。

 (Itta-RL) クガ「問題は解決した。アタックを開始しろ」

 (Itta-RL) その言葉の終わった、2秒後のことだった。

   

             キキィ!

   

 (Itta-RL) 複数のエンジン音とブレーキ音。

   

           バラバラバラバラバラ……

   

 (Itta-RL) ヘリのローター音。

   

 (Itta-RL)  そして、

   

 (Itta-RL) 強襲したバンから次々と吐き出される、戦闘服を着た兵士達。

 (Itta-RL) 反応しようとした警備員が、声を挙げる間もなく撃ち倒される。

   

 (Itta-RL)    銃声と銃火と、

 (Itta-RL)        悲鳴と怒号と、

 (Itta-RL)          硝煙と血煙が、

   

 (Itta-RL) 降りしきる雨の中に散乱する。

   

 (海藍) 「貴方の任務は此処の制圧でしたか…」

 (海藍)  ふう、と息をつく。

 (Itta-RL) クガ「そういうことだ。悪いが今回は俺が先んじたな」

 (海藍) 「今回も先にやられましたね」

 (海藍)  ひょいと肩をすくめる。

 (Itta-RL) クガ「貴様はいつも捉えどころがない。もう少し躍起になってくれれば排除する気にもなるのだがな」

 (海藍) 「おやおや物騒な」

 (海藍)  にこりと笑う。

 (Itta-RL) クガ「フン」

 (海藍) 「ところで私はいつまでこのままでいればいいんですか?」

 (海藍)  頭の後ろで手を組んだまま。

 (Itta-RL) クガ「好きにしろ。このまま施設に向かっても構わんが、その場合部下がお前を見逃してはくれまいな」

 (Itta-RL) やや本気の混じった軽口を叩きつつも、部下に指示を出していく。

   

 (Itta-RL)    ――と。

   

 (Itta-RL) その顔が不意に険しくなる。

 (海藍) 「どうしました?」

 (Itta-RL) クガ「――どうした? 状況を報告しろ」

 (Itta-RL) クガ「貴様には関係のないことだ。……無理に戦うな。A3とF1のいる中央ホールまで誘導しろ」

 (海藍) 「………」

 (Itta-RL) 何か問題が起きたらしい。

 (海藍)  す、と眼が細まる。

 (Itta-RL) 海藍の目が、何か――時に、直感とか第六感とか言われるもの――に導かれるまま、上空に――否、屋上へと向けられる。

 (海藍)  紫色の眼に、屋上、其処が映る。

   

   

          瞬間、

 

   

             ゴッ!

    

 

 

 (Itta-RL) 轟音と共に、屋上を突き破り、ナニカが飛翔した。

 (Itta-RL) コンクリや鉄骨や、ヒトまでも巻き上げながら上昇する。

   

              ―――二つの影。

   

 (Itta-RL) クガ「………!」

 (Itta-RL) さしもの歴戦の勇士も目を剥くそれ。

 (海藍) 「あれは───」

 (Itta-RL) その姿はまるで――

   

 (Itta-RL) AAA隊員「少佐! もう一体出ます!」

 (Itta-RL) 裏口からまろび出たAAAの隊員が、クガに叫ぶ。

 (Itta-RL) クガ「B、D、E、構えッ!」

 (Itta-RL) 間髪入れず入った指示に、混乱から即座に立ち直った部隊が、或いは周囲の建物から、そして対象の建物から銃を突き出す。

   

 (Itta-RL)    そして――

   

 (Itta-RL) 飛び出してきたのは、

   

 (Itta-RL)    銀色の髪を雨風に靡かせた、小さな人影――

   

 (Itta-RL) クガ「撃ェ―――!!」

   

 

 

       銃火が、

                咲いた。

   

   

   

 (Itta-RL) ――制圧が完了する頃、雨脚は弱まるどころか、さらに激しさを増していた。

   

 (Itta-RL) クガ「――逃がしたか」

 (Itta-RL) 憮然とした口調のクガ。

 (Itta-RL) いい加減盛りを過ぎた歳だろうに、雨の中、揺るぎない長身を巌のように直立させている。

 (海藍) 「子供のようでしたね」

 (Itta-RL) クガ「そうか。私にはそこまでは見えなかったがな」

 (Itta-RL) そのことを――子供を部下に撃たせたと聞いても微塵も動じない。

 (海藍) 「私にもはっきりと見えたわけではありませんから」

 (海藍)  普段通りの、静かな口調。

 (Itta-RL) クガ「フン。――この辺り一帯を封鎖。ただちに逃亡した三体を討滅する」

 (Itta-RL) 部下にそれだけを伝える。

 (海藍) 「それでは私はこれで失礼しましょう。また会うことになるでしょうが…」

 (Itta-RL) クガ「出来れば会いたくはないがな」

 (Itta-RL) 幅のある肩を竦めて、苦笑いする。

 (海藍) 「それは運命の輪の車輪にいってくださいな」

 (Itta-RL) クガ「フン……」

 (海藍)  ふい、と背を向ける。

   

 (Itta-RL) 去り際。

 (Itta-RL) 雨に紛れそうなクガの声が聞こえた。

 (Itta-RL) 聞き逃しかねないその声を海藍の耳は確かに捉えていた。

   

     「飛天の手配を――いざとなればこの辺り一帯を焼き尽くしてでもアレらを滅ぼす」

   

   

   

   

   

    (海藍@舞台裏) NVAが焦土に(ぇ  

 (呼縁@舞台裏) 飛天…なんだろ  

 (RL行ったきり男@舞台裏) 戦闘機ですなw  

 (呼縁@舞台裏) ふむ…爆撃機みたいなものですか  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)零一の家がDIEピンチですか  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)まあ、街の一角くらいは焼き払うでしょうw  

 (RL行ったきり男@舞台裏) というわけで霧  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)b  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)ストライクイーグルみたいなのでしょうねw  

 (零一@舞台裏) |っ−∀−) 空対地爆撃でもする気かっ!w  

 (RL行ったきり男@舞台裏) はっはw  

 

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

  シーン3 シーンプレイヤー:呼縁

  ┗シーンカード:ヒルコ

   

 

 

 

 

   

 (Itta-RL) 自分の古いアドレスを気まぐれに覗いてみたら、一件、それも見覚えのある相手からのメッセージが残っていた。

 (Itta-RL) ただそれだけのこと。

 (Itta-RL) それだけのことから生じた、ほんのかすかな気まぐれ。

   

 (Itta-RL) 雨はただ、災厄の街に降り注ぐ。

 (Itta-RL) レッドエリアの夜、雨の日は本当に暗い。

 (Itta-RL) 浮浪者たちが灯した明かりだけが光源で、

 (Itta-RL) その世界はまるで、

 (Itta-RL) 阿片窟か、

 (Itta-RL) それとも神秘の眠る洞窟のようでもあった。

   

 (Itta-RL) 雨の音だけが、この街の存在を示しているような錯覚。

 

   

 (呼縁) 「憂鬱だな…雨は」少し青い顔で、だるそうに。ポケットロンをあけてメッセージをもう度読み直してみる。

 (呼縁) …今は微妙に体調も、悪い。熱っぽい…きっと雨のせいだろう。

 (Itta-RL) ポケロンの画面には、挨拶もなしに場所の指定と、『来てください』という、簡素なメッセージ。

 (Itta-RL) 短いが故に、妙に気になる。

 (Itta-RL) ――程なくして、指定の廃ビルに到着する。

 (呼縁) 傘をさしても濡れるコートを気にしつつ。

 (Itta-RL) 何のことはない。かつて短い間、呼縁がセーフハウスにしていた廃ビルだった。

 (呼縁) 「あー…ここか」昔を思い出して、苦笑いしつつ。

 

 

(呼縁@舞台裏) 「昔、まだ外界がしかない時はここに住んでたんだよな」  

 (呼縁@舞台裏) というセリフは捨てておく()  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)そ  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)b  

 (RL行ったきり男@舞台裏) ww  

 (海藍@舞台裏) 海藍「死海のほとりでよく寝ていたものです。あの時に書いた本、どうしてるんでしょうか」  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)という呟きは深淵に破棄する  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)そ 何者だアンタw  

 

 

 (Itta-RL) 覗いてみれば、暗い室内はあちこち雨漏りし、いつ倒壊したとしても誰一人として不思議には思わないだろう。

 (呼縁) 「ノックするドアも壊れてるか…おーい。来たぞ〜」

 (呼縁) 傘を閉じて、とりあえず中に呼びかけてみる

 (Itta-RL) するとビルの奥から、「あっ」という短い声と、何かが倒れるような騒がしい音。

 (呼縁) 「…相変わらず騒がしいね」物音に自然と微笑み浮かべて。

 (呼縁) そちらの方に行ってみよう

 (Itta-RL) すると、床に散らかった、放置されたものらしき書類を慌てて拾い集めている少女の姿に出くわす。

 (Itta-RL) ――少し、違和感があった。

 (呼縁) 「…久しぶり。引越の連絡はしてなかったっけ」

 (Itta-RL) イリア「あ、呼縁さん……。こんにちは。ええ、――ずっと、連絡の取れない状態だったんで」

 (Itta-RL) 苦笑して、慌てて立ち上がる少女の顔を見て、違和感の正体に気づく。

 

 (Itta-RL)    ――翠の髪。

 

 (Itta-RL) 以前関わった時には、彼女の髪は茶色がかった赤毛だったが。

 (呼縁) 「染めたんだ、髪」

 (Itta-RL) イリア「あ、これは、ちょっと……」

 (Itta-RL) 気まずさと恥じらいの交じり合った顔で髪を弄る。

 (Itta-RL) 見ると、その服装も少々おかしい。

 (呼縁) 「似合ってると思うよ」我ながら、心のこもってないセリフだな、と思いつつ

 (Itta-RL) イリア「あ、ありがとう……」

 (Itta-RL) 照れたように頭を掻くその腕を包むジャンパー。

 (Itta-RL) ファッションでなく、制服か何か使われそうな、ロゴの入ったもの。

 (Itta-RL) そしてその下に着ている物がさらに異常で、

 (Itta-RL) 病院などで使われるような、簡素“すぎる”検査着。

 (Itta-RL) ――雨のレッドエリアを歩くには無防備すぎるが、それ以前の問題な服装。

 (呼縁) 「それで、どうかしたのかい?」

 (Itta-RL) イリア「ええと……その、お願いがあって……あるんです」

 (呼縁) 「…仕事の依頼、てこと?」

 (呼縁) 異常な服装、変わってしまった髪、お願い…頭痛が激しくなってくる。

 (呼縁) 「一応、今はボディーガードしてるんだけどね」

 (Itta-RL) イリア「そう、なります。でもお金は無くて……」

 (Itta-RL) 言いにくそうに呻き、俯くが、

 (Itta-RL) 意を決したように顔を上げる。

   

 (Itta-RL)    イリア「呼縁さん。“灰羽の蛇”って知ってる?

   

 (Itta-RL) そんな、思いもよらないキーワードが彼女の口から飛び出た。

 (呼縁) 「あ、ああ…」いきなりな言葉にちょっと目を見開いて。

 (呼縁) 「知らない、こともないけど」

 (Itta-RL) イリア「よかった。私も詳しいことは知らなくて。人間――というか、その、その社会にいられなくなった人が、集まってるんだって」

 (Itta-RL) イリア「すごくいいところだって、その、知り合いに聞いて、さ」

 (Itta-RL) わずか、暗い顔。

 (Itta-RL) 何かを思い出したような。――が、一瞬後にはそれも隠れる。

 (呼縁) 「そうらしいね」どうしたものかと思案しつつ。

 (Itta-RL) イリア「お願いは、ある女の子を捜して、その子を“そこ”に連れて行って欲しいんです」

 (呼縁) 「…ある、女の子?」

 (Itta-RL) イリア「はい。――女の子です。私と、今の私と同じ色をした髪の子」

 (Itta-RL) ポニーテイルにした髪のひと房を掲げる。

 (Itta-RL) ――人間には本来あり得ない、エメラルドの光彩。

 (呼縁) 「特徴は髪の色だけ? 顔のわかるものとか、名前とかは?」

 (Itta-RL) イリア「名前は――システィーナ、って言うそうです。写真とかは、その、ごめんなさい。ないんです……」

 (Itta-RL) 申し訳なさそうに。

 (Itta-RL) イリア「それと――」

 (呼縁) 「それと?」

 (Itta-RL) イリア「危ないことに、なる。――かも」

 (Itta-RL) 口調はたどたどしいが、しかし真剣な目。

 (Itta-RL) イリア「報酬も、すぐには払えません。危ないかもしれません」

 (Itta-RL) 背筋を伸ばし、

 (Itta-RL) イリア「でも――お願いします。一生かかっても、お望みの報酬を払います。――な、んでしたら、ぅわたしを好きにしてもいい」

 (Itta-RL) さすがにそれを口にするのは抵抗があるのだろう。

 (Itta-RL) わずかに力を込めて、そこまで言った。

 (呼縁) 「…ふぅん…本気で好きにしていいんだ」

 (呼縁) 目の前の少女の様子を微笑ましく眺めながら、悪戯っぽく言い返してみる

 (Itta-RL) イリア「――ッ。……はい。あの子を、見つけてくれたのなら」

 (Itta-RL) わずかに震える声で、しかしはっきりと頷いた。

 (呼縁) 「…まあ。人探しは苦手だから、ね。あんまり期待はしないでね」

 (Itta-RL) イリア「あ……請けて、くれるんですか……?」

 (Itta-RL) 自分から願ったくせに、呆然と問う。

 (呼縁) 「…請けない方がいいみたいなセリフだなぁ…」

 (Itta-RL) イリア「あ、いやいやいやいやいや! ありがとう! ほんとにありがとう!」

 (Itta-RL) 呼縁の手をとって深々と頭を下げる。

 (Itta-RL)    ――水をたっぷり吸ったポニーテイルが、呼縁の顔を直撃するくらい。

 

 

(零一@舞台裏) |っ−∀−)っ 凄い勢いで  

 (零一@舞台裏) |っ−∀−)っ 萌えキャラ化させていくな  

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)キノセイデスヨ  

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)+  

 

 

 

 (呼縁) 「ん、じゃ。好きにしていいんだよね?」

 (Itta-RL) イリア「……う。し、仕事を終えてくれたら、です」

 (Itta-RL) 警戒したように後じさる――ただ、さっきほど切羽詰った感じではなくなって、少しおどけた仕草。

 (呼縁) 「前払金くらい払うのが普通だよ…うちで一晩一緒にすごすくらいしてくれてもいいよね?」

 (呼縁) にこにこと笑って

 (Itta-RL) イリア「ううっ」

 (呼縁) 「行く場所のあて、ないんでしょう?」

 (Itta-RL) イリア「それは、まあ……」

 (Itta-RL) 見ると、裸足。当然ながら慣れていない彼女の足はかなり傷ついている。

 (呼縁) 「危ないことになるかも、てのは…イリアも危険だ、てことだと理解していいんだよね?」

 (Itta-RL) イリア「――どう、なんだろ。でも、安全じゃ、ないかな」

 (Itta-RL) 自分の足を見――

 (Itta-RL) 続いて呼縁を見――

 (Itta-RL) イリア「ヘンなこと、しない?」

 (呼縁) 「…お子様にヘンなことするほど、餓えてはないよ。ほら」傘を投げて渡す

 (Itta-RL) イリアは慌てて受け取る。「――あ、ありがとう」

 (呼縁) 「外は雨がひどいからね。傘ささないと、風邪ひく」

 (呼縁) とお姫様だっこで抱きかかえます

 (Itta-RL) イリア「きゃっ!?」

 (Itta-RL) 慌てて足をばたつかせるが――程なくして大人しくなる。

 (呼縁) 「悪いけど、靴屋さんは閉まってるだろうから我慢してね」

 

 

(海藍@舞台裏)  (ι…x…)ひめだっこー  

 (RL行ったきり男@舞台裏) はっはっはっはっはっはっはwww  

(RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)言い忘れてたけど、このシーンの時間軸は零一とほぼ同時刻。  

 

 

 

 (Itta-RL) ぽかん、とした顔で、腕の中から呼縁を見上げ、

 (呼縁) 「その足で歩いて怪我したら困るでしょう?」

 (Itta-RL) イリア「……う、うん……」

 (Itta-RL) 借りてきた猫みたいに、頷いた。

 (Itta-RL) ――ずぶ濡れの捨て猫、といったところか。

 (呼縁) 「好きにしていいって言ったしね…だから、勝手に護らせてもらうよ。それが、本業だからね」

 (呼縁) そのまま抱きかかえてビルを出て…自分の今の部屋に向かいます。

   

 (呼縁) ――とりあえず、頭痛はおさまりそうだ――

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

 

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