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Climax Faze

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  ■シーン1

  ┗シーンカード:バサラ

   

 

 

 

 

 

 

――穏やかなピアノの曲と、柔からかな女声が奏でるイントロが、雨の雑音にかすかに混じる。

   

 

 

 (Itta-RL) 思念は送った、と、イリアは言った。

 (Itta-RL) あとは、待つだけと。

 (Itta-RL) 向こうから来るだろうから、探すこともない。

   

 (Itta-RL) そうして雨の中、移動している。

 

 (零一) 「埠頭で艀の端まで行くと、ゴムボートを泊めてある。それに乗れ。」

 (零一) 「沖合いで合図を送ると、“脚”が来る。」

 (Itta-RL) イリア「――はい。伝えました」

 (呼縁) 「りょーかい」緊張してるのかしてないのか、のんびりした口調で。

 (零一) 「───イリアは、最後、か?」  他人事の様に言う彼女に尋ねてみる。

 (Itta-RL) イリア「はい。――わたしは、見届けるべきですから」

 (呼縁) 「どうせ、全員は乗れないんですよね?」

 (零一) 「往復だ。領海外に、海賊船を隻手配してある。其処まで行けばNOVA軍も警戒する必要は無い。」

 (呼縁) 「…邪魔が入らないといいんですけどね。それまで」

 (零一) 「それまで持ちこたえるのが俺達-オトナ-の仕事だ。」

 (呼縁) 「オトナはつらいですねぇ、まったく」本気なのか、冗談なのやら。

 (海藍) 「がんばりましょうか」 普段どおりの笑顔のまま。

 (海藍) 「……ということで」

 (海藍)  す、と目の前に手を伸ばす。

 

  「少しお時間をいただきますよ」

   

  [宣言]〈マヤカシ:シャーマン〉起動

  [M]〈自我〉〈神託〉

     【感情】9+3(Skill)+C9=21  

     〈分心〉“鉄槌下すもの”/アヤカシ:神族 2Lv取得

   

  [宣言]〈マヤカシ:シャーマン〉起動

  [M]〈自我〉〈神託〉 

    【感情】9+3(Skill)C10=22   

    〈分心〉“貪欲なる地蟲”/アヤカシ:龍の一族 取得

   

 

 

   下に向けていた掌を本の頁をめくるように返せば、其処に本が一冊現れる

   ぱらぱらと、ひとりでに頁がめくれ、目的の箇所にたどり着く

 

 

 

     黄昏に眠る旧き支配者よ、虹の架け橋渡りていざ、来たれ───     ──“鉄槌下すもの”

 Regimentor vetusti crepusculi dormis, transfretas a arcus pontis, et Veni     ── Tudem Vibrator”」

 

   

  [M]〈自我〉〈分心:“鉄槌下すもの”〉

      【感情】9+3(Skill)+CQ22

 

   

    闇に安らぐ死者の魂よ、契約によりていざ、深淵より歩みいでよ   ──“貪欲なる地蟲”

  Requiem inter nocem mortua anima quod promitto, ambula e abysso  ── Avidi Vermis”」

   

 

 

  [M]〈自我〉〈分心:“貪欲なる地蟲”〉

     【生命】HA=21

   

        ざわざわと、大気が揺れる。

        足元の水溜りがばちゃばちゃと耳障りな音を立てる

   

        ざわ、と足元に“何か”の気配が蟠った。

        頭上に“何か”の気配が漂い始めた。

   

 

 (海藍) 「さて、お待たせしました……では行きましょうか」

   

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 (Itta-RL)   ――そしてしばらく歩き続けて――

   

 (Itta-RL) 少し広めの、ビルに囲まれたエアポケットのような場所に出た。

 (Itta-RL) 海まで、あと少し。

   

   

 (Itta-RL) イリア「――謝らないといけませんね」

   

   

 (Itta-RL) 雨の中、第9のジャンパーのポケットに手を入れたまま、イリアが不意に呟いた。

 

 (呼縁) 「…どうして?」足を止めて、振り返る

 (Itta-RL) 王護に追われた銀髪の少女を軽く撫でて、

 (Itta-RL) イリア「わたし、この子……システィーナと会ったのは、今日が初めてだったんです」

 (Itta-RL) イリア「正確には、“顔を見た”のが初めて、なんですけどね」

 (呼縁) 「あぁー…それを言うとこっちも謝らないといけないかな。イリアのこと…調べさせてもらったし」

 (Itta-RL) イリア「いえ、いいんです。知っておかないといけないこととかありますから。それに、」

 (Itta-RL) わたしのほうが、もっと謝らないと。

 (Itta-RL) 消えそうな声。

 (Itta-RL) イリア「――研究所で隔離されたとき、壁の向こうに誰かがいるのが分かったんです。――まあ、それがこの子」

 (Itta-RL) 壁とか関係ないんです、わたしの能力。

 (Itta-RL) 平淡に続ける。

 (呼縁) 「まあ、そうみたいだね。それで…?」

 (Itta-RL) イリア「研究員の心を覗いて、いろいろ情報を集めて……この子の名前を知りました」

 (Itta-RL) 自分の気持ちに関しては告げず、続ける。

 (Itta-RL) イリア「……あの研究所のこと、いろんな人の心を読んで、実はほとんど知ってたんです。ごめんなさい」

 (Itta-RL) イリア「それと、もうひとつ」

 (Itta-RL) イリア「だから、最初から分かっていました」

   

   

 (Itta-RL) 諦めた、おとなのような微笑――今にも崩れそうな。

   

 

 

 

   

     イリア「アルファベットを与えられた2人が、

             ――もう、ヒトの心なんて失くしていることくらい。……とっくに」

   

   

 

 

 

   

       同時。

   

   

   

   

          ――鉛色の天空から、毒水のように降り注ぐ殺気――

   

   

   

 

 

   

       イリアはただ、空を仰ぐ。

        その視線の先にあるのは――

   

   

     夜明け前の曇天よりなお暗い漆黒の、翼持つ二体の影……

   

   

 

 (Itta-RL) 無言のまま――降り立つ。

 

 (零一) 「───………。」

 (呼縁) 「謝るついでに…聞かせてくれると嬉しいな。イリアはこの2人をどうさせたいのか」

 (Itta-RL) イリア「………。」

   

          Memento Mori

   

 (Itta-RL) 長い沈黙の後、やっと聞き取れる声でそう言った。

   

                    ――死を思え。

   

 (Itta-RL) イリア「残ってる、二人の心が叫んでるの。もうイヤだって。こんな姿になって、人間にも戻れず生きていくのはイヤだって」

 (Itta-RL) イリア「――無関係な人たちを犠牲にする前に……お願いします」

 (Itta-RL) そう言って。

 (Itta-RL) 深く、頭を下げた。

 

 

 (海藍)  言葉を発することなく、“魔道書”をその右手にとる。

 

 (呼縁) 「…努力は、しましょうか」構えを取る

 

 (零一) 「………………。」

 (零一) 祈るように瞑目。

                   ジャッ!

   

 (零一) そして、零一が目を開くと同時に、彼の纏っていたコートの内側から、一本の杖が姿を現す

 (零一) 右手に握られてたそれは、優美な白い蛇の彫刻が施されている。

   

               EXP10点消費  “美麗装飾”取得

   

 (零一) 「分かった───」

   

   

   

   

   

   

   

   

   

                        雨は、降り止まない。

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

  Cut in!

   ┗シーンカード:タタラ

 

 

 

 

 Set Up!

 

 

 (Itta-RL) 被験体D:AR2

 (Itta-RL) 被験体B:AR2

 (Itta-RL) 共にセットアップなし

 (零一) 零一:AR2 SETUPnone

 (零一) 王護:AR2  SETUPnone

 (呼縁) AR2、セットアップなし

 (海藍) 海藍:AR2/SetupNone  “鉄槌下すもの”:AR2/SetupNone  “貪欲なる地蟲”:AR2/SetupNone 

   

   

   

   

 (Itta-RL) 第一カット

   

 (Itta-RL) ・零一

 

 

 

 

 

 

 

 (零一) 「───行くぞ。」

   

 (零一) 降り止まぬ雨に、小さく雷鳴が混じる。

 (零一) 物悲しいメロディは、いまだ電界を通じ、周囲を包み込む───

   

 (零一) []起動:スリーアクション

 (零一) [m1]起動:〈血脈:悪魔の一族〉

 (零一) [m2]起動:マジックフォーメイション

 (零一) [m3]準備:“灰羽の蛇”(スタンバトンwith美麗装飾相当)

   

              ───ヒュン

   

 (零一) 雨を切り裂き杖が弧を描く

   

 (零一) []〈交渉〉+〈幻覚〉

   

 (零一) 杖の先端の蛇の目が、稲光を反射して瞬く

   

 (零一) ・達成値:【外界】7+1(悪魔)+1(天使声)+3(美麗)+2(MF)+DK()=24

   

                  ───ゴロゴロゴロ………

   

            周りは寒く冷たいはずなのに───

   

 (零一) 対象:ビースト

   

                   ───その脳裏に過ぎるのは、安らかだった『あの頃』の出来事。

   

   

 (Itta-RL) ノーリアクション!

   

 (零一) [精神戦DMG]2(RH)+3(蟲毒)+1(幻覚)+ ───

 (零一)               ─── C8()=14

   

 (海藍)  ──“鉄槌”行動

 (海藍)  〈血脈:神族〉 SK   DMG10点追加!

 

 

 (零一@舞台裏) |m−∀−)m 24点w

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)y-~ HAHAHA

 (零一@舞台裏) |m−∀−)人(…x…ι) はいたっち

 (海藍@舞台裏)  |m−∀−)人(…x…ι) はいたっち

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)予想以上に強力だなあw

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)恐るべし。

 

 

   

   

 (Itta-RL)       《Disappear

   

   

 (Itta-RL) けれど、その“光景”に揺れるはヒトの心のみ。

 (Itta-RL) 冷たく、硬質に変じた“獣”の魂には、なんの価値もない……!

   

   

   

   

 (零一) 「………最早安らかに眠ることも叶わぬか………」

 

 (Itta-RL) ・王護

   

   

 (零一)           Grrrr...

   

 (零一) リアクション

   

                白き虎は

                ただ己の護るべき者のために控えるのみ

   

   

   

   

   

   

   

   

 (Itta-RL) ・呼縁

 (呼縁) リアクション

   

   

 

 

 

   

   

 (Itta-RL) ・海藍

 

 

   

 (海藍) [m]フラッシュドライヴ起動

 (海藍) [M]〈盾の乙女〉【生命】3+H10=13    H10を呼縁に投擲

 

   

 (呼縁) <白兵>+<居合い>+<鉄拳>+<カマイタチ> 【生命】9+4(Skill)+H10=23 対象:D

 (呼縁) 抜き手一閃。居合いが巻き起こす斬撃が相手を捉える

   

   

 (Itta-RL) ノーリアクション!

   

 (Itta-RL) 差分値:13

 

 (呼縁) +4+13+CJ=27

 (呼縁) 「死しか救いがない、てのはあきらめが早すぎだと思うけど、ね…でも、それしかないなら…ボクが背負ってやる、よ」

   

   

 (Itta-RL)    〈障壁〉

   

 (Itta-RL) 88点軽減。ダメージ19から、さらに防具で−3。このままでも死ぬので、生体防具の効果で4点減らして、

   

 (Itta-RL)   12 [脚部損傷]

   

 (Itta-RL) その一撃は、確かに致命傷だった。――直撃したならば。

 (Itta-RL) だが、雨霧に歪んだ視界に、“それ”が認識し辛かった。

   

 (Itta-RL)  ――空間の、ひずみ。

 (Itta-RL)    あらぬほうへと導かれた刃は、急所のコースを外れて足に突き立つ。

   

 (Itta-RL)   Gooo……

   

 (Itta-RL)    かすか、あがる苦悶の声。

 (Itta-RL)        だがまだ倒れはしない。

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

 (Itta-RL) ・“貪欲なる地蟲”

   

 (海藍) [m]なし

   

 (海藍)  海藍の足元に蟠っていた“何か”が、ぞわりと蠢いて

   

 (海藍) [M]〈自我〉〈血脈:龍の一族/生物〉〈永生者〉

 (海藍)  【生命】5+4(Skill)+3(装備)+D6=18

   

 (海藍)  大地を走り、足元から喰らいつくさんと、迫る───

   

 (Itta-RL) ノーリアクション!

 

 

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)ていうかね、聞いて?

 (呼縁@舞台裏) うん

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)スート合わんで回避できひんねん

 (零一@舞台裏) |m−∀−)m

 (零一@舞台裏) | −人−)

 

 

   

 (海藍) DMG:刺+5+SQ=15

   

 (Itta-RL) ダメージは13。しかしBFは受けたくないので残りの6点軽減を使用。

   

 (Itta-RL)    [腕部損傷]

   

 (Itta-RL) 再び、雨粒に血飛沫が混じった。

 (Itta-RL) “何か”が喰らいつきながらも、それでも尚歩き、迫り来る悪魔の姿が、そこにあった。

   

   

   

   

   

   

 (Itta-RL) ・被験体B

 

 

 

 

 

 

   

   

             ジャキン

   

                        ジャキン

   

           ジャキン

   

                          ジャキン

   

 

 

   

   

 (Itta-RL) 獣の名を冠する異形の腕に、足に、

   

 (Itta-RL)    次々と鋭利な角が生じる。

   

   

 (Itta-RL) それはまるで剣牙虎の牙でもあり、

   

 (Itta-RL) そして猛牛の双角のようでもあった。

   

   

   

 (Itta-RL) ※オートアクション:生体武器×4 準備

   

 (Itta-RL) スリーアクション起動

 (Itta-RL) 1.〈血脈:獣の一族(魔性)〉発現

 (Itta-RL) 2.ドラッグホルダ起動。ブーストハート、アルジャーノン、イリュージョン摂取

 (Itta-RL) 3.ブーストハート摂取

   

 (Itta-RL)    〈羅刹〉

   

 (Itta-RL) JOKER使用。CA指定で21

   

 (Itta-RL) AR1 → 3

   

 (Itta-RL) 再びビーストの手番

   

 (Itta-RL) スリーアクションからドラッグホルダを3回起動。ロゴス9本摂取。

   

 (Itta-RL) 〈白兵〉〈運動〉〈二刀流〉

   

 (Itta-RL) 【感情】7+C411

   

 (Itta-RL) 対象は……零一。

   

 

 

 

 (零一) 「………………。」

   

        とっ。

   

               たんっ、だっ、

 

    ガッ───   ザッ───!

   

 

 (零一) 雨の中、二人がステップを踏む小さな音だけが響く

   

 (Itta-RL) 〈血脈:悪魔の一族〉

   

 (Itta-RL) 6で達成値10。辛うじて成功。

 (Itta-RL) 攻撃の達成値を+3。合計14

 (Itta-RL) その動きが不意に――加速する!

   

                        ガッ!!!

   

 (零一) ───だが、その爪を、零一は手にした王杓で受け止める。

   

 (零一) 【感情】制御値15       ──Foul

   

 (Itta-RL) 代償は――

 (Itta-RL) 9312

 (Itta-RL) ……アウトフィットで2点軽減。

 (Itta-RL) ダメージ10[恐慌]

 

 

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)

 (零一@舞台裏) ARとんだ?w

 (呼縁@舞台裏) …もっと大変じゃない?()

 (零一@舞台裏) |m−∀−)m ぶっ

 (海藍@舞台裏) 制御判定の模様です、先生

 

   

 (Itta-RL) 山札から……HJ

   

 

 (零一@舞台裏) |m−∀−)m 傷は深いぞ、ぐったりしろ。

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)なんかいい札ひいてる

 

 

 (Itta-RL) ………

   

 (Itta-RL)    《Disappear

   

 (Itta-RL) 一瞬――

 (Itta-RL) 残っていたヒトとしての心が、

 (Itta-RL) 悪魔となった心とシンクロした。

   

 (Itta-RL) つまり――己の為す所業に、恐怖した。

   

 (Itta-RL) だがそれも一瞬。

 (Itta-RL) 瞬きする間に、その恐怖も途切れる。

   

   

 (零一) 「───ッ」

   

   

 (Itta-RL) 続けてビースト

   

 (Itta-RL) スリーアクションからドラッグホルダを2回起動。ロゴス6本摂取。

   

 (Itta-RL) 〈白兵〉〈運動〉〈二刀流〉

   

 (Itta-RL) 次には、己の腕に食いついた、邪魔な“ソレ”に刃を振るう!

   

 (Itta-RL) 達成値:D510

 

 (呼縁) リアクション

 

 (呼縁) <白兵>+<ク・フレ>+<居合い>+<鉄拳>

 (呼縁) 【生命】9+4+JOKER=HA=24

 (呼縁) 迫る爪より速く、抜き打ちの刀が叩き込まれる

   

 (Itta-RL) 差分値:12

   

 (呼縁) +4+12(差分)C723

 

 (呼縁) 「…力に頼りすぎ。動きが粗過ぎる」

 

 

 (呼縁) 「…それとも。殺してほしい、か?」

 

 

 (Itta-RL) 感情などとうに無いはずの、紅の目が見開かれる。それは紛れもない……驚愕。

 (Itta-RL) 装甲で3点軽減。このままだと仮死。防具効果で1点吸収して19

   

 (Itta-RL)    [五感消失]

   

 (Itta-RL) その一撃は、確かに獣の五感を破壊した。

 (Itta-RL) 光は消え、音は死に、風も絶え果てた。

   

 (Itta-RL) だが……

   

 (Itta-RL)    命はある。

 (Itta-RL)    自分と、獲物の。

   

   

 (Itta-RL)   GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA

   

 

 (Itta-RL)  長い――長い咆哮と共に、

   

 (Itta-RL)  その鋭い爪を、

 (Itta-RL)   呼縁に向けて繰り出す!

   

 (Itta-RL)    Danse Macabre

   

 (呼縁) 宣言 Fenix

   

 (呼縁) 瞬間、予想もしない一撃。けれど、体はとっさに反応する。

 (呼縁) ぶつかる刀と爪。そらされた打撃に…あるはずだった致命的な一撃は、ない。

   

 (呼縁) 「…それだけやれるなら…いや、しょうがない、か…」

   

 

 

 

 (Itta-RL) それでも、止まらない。

 (Itta-RL) 止まれないのか――止まらないのか。

   

 (Itta-RL)    Mutation

   

 (Itta-RL)          asDanse Macabre

 

   

 (Itta-RL) さらに踏み込み、次の獲物を求めて咆哮する。

 (Itta-RL) その先は――海藍!

   

 

 

 

   

 (海藍) 「───おっと」

 (海藍)  その爪と牙が喉を切り裂かんとして迫り──

   

 (海藍)        Retrakt

   

 (海藍)   “幸運にも”首に巻いていたチョーカー - 金属板 - に当たる。

   

 (海藍) 「──おや、運が良かったですね」

 (海藍)    落ちたチョーカーを眺めながら、そうにこやかに笑って、呟いた。

   

 

 

 

 

 (Itta-RL) ――その頃には、既に。

   

 (Itta-RL)    天空高く舞い上がった“悪魔”が、

   

 (Itta-RL)       さらなる高みから、

   

 (Itta-RL)    零一目掛けて落下する―――!

 

 

 

 

 

   

 (Itta-RL)    Mutation》」asDanse Macabre

   

 (零一)             「………………………。」

   

                           ───ザァッ………

   

   

          その瞬間、世界から音が消えた。

   

              戦いの騒音も、

                    降りしきる雨の音も、

                              全ては一瞬の静寂の中に押し込められ

   

   

                ───せめて

                ───この一瞬の間だけでも

                ───取り戻せ

   

   

             DIVINE WORK  Guardian

   

   

                ───お前の大切な物を

   

   

             ドク───………ン………

   

   

             戦いが始まった時から揺さぶられ続けた魂が、

   

                零一と視線を合わせたその瞬間

   

                                    一際大きく震える

   

   

 (Itta-RL)     ――そして、慟哭するように悪魔は膝をつく。

   

 (Itta-RL)  まるで己が何者かを取り戻し、呆然とするように。

   

 (Itta-RL)    「ァ………」

   

 (Itta-RL)  意味のない、本当に意味もない、小さな小さな声が漏れ、

   

 (Itta-RL)   手を、救いを求める巡礼者にも似た仕草で差し伸べ

       

 (Itta-RL)        かけて

   

   

              A……GGGAARRRRRRRRRRRRRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA

   

 

 (Itta-RL)    その喉を、

 (Itta-RL)        怒号が割り砕いた。

   

   

   

 (Itta-RL)      Catastrophe

   

   

 (Itta-RL)  弾けるように、その身体は前へ――

 (Itta-RL)  眼前に立つ零一を、

 (Itta-RL)  通り過ぎ、

 

 (Itta-RL)     そして――

   

 

 

 (Itta-RL)    未だ眠るシスティーナの元へ、爪を振り上げ……!!

 

 

 

 

   

 (Itta-RL)        Guardian

 

   

 (Itta-RL)  けれど、その前に立ちふさがった小さな人影。

   

 (Itta-RL)  翠の髪。

   

 (Itta-RL)  まるで母親のように。

   

 (Itta-RL)  気高い殉教者のように。

   

 (Itta-RL)  大きく、抱くようにその腕を広げて、

   

 (Itta-RL)  悪魔ですらも、抱きとめんとして……

   

   

 (Itta-RL)    「――だいじょうぶ、わたしが、一緒に、いてあげるから――」

   

   

                   もう、苦しまなくて、いいよ。

   

   

   

 (海藍) 「───呼縁君」

   

 (海藍)  ただ、そう呼びかける。

 (海藍)  どうしろとも言わない。何も。

 (海藍)  何故なら──やるべきことは、彼自身がすでに知っているからだ。

   

 (海藍)   Fite!宣言    対象は呼縁のInvulnerable》!

   

   

 (呼縁) 宣言Invulnerable 効果:《Guardian》の代償ダメージの防御

   

 

 

 (呼縁) 爪は、少女には振り下ろされず。

 (呼縁) 割って入った少女を抱きしめた呼縁の方に、突き刺さる

   

 (呼縁) 「───悪い。依頼の報酬をもらっちゃったんで。…好きにしていいってね」

 (呼縁) 「──いつか、他人のために、命を捨てそうで危なっかしいから、好きに護らせてもらうことにしたんだ。だから…連れていかせられないんだ」

 (呼縁) 「──悪い、ね」

   

 (呼縁) あえて、攻撃を受けたのは…目の前の悪魔への、せめてもの謝罪、か──

   

 (Itta-RL) イリア「あ………」

 (Itta-RL) ぱしゃり、と。

 (Itta-RL) 背後で、少女のへたり込む音。

 (Itta-RL) イリア「呼、縁、さん……」

 (呼縁) それを抱えてささえてやる

 (Itta-RL) イリア「―――」

 (Itta-RL) バキン、と。手の中で彼女が硬直するのが分かった。

 

 

 (呼縁) 「…終わらせて、来るよ」そっと、彼女を座らせて、目の前の悪魔に向き直る。

   

 

 (呼縁) 宣言:Danse Macabre 対象:被検体D DMG16宣言

   

 

 

──その奥義は、どんなものにも等しく「死」を与える。其は神速。決して捉えられることなく

 

 

 

       ──故に、技の名はなし

   

 

 

 雨の中に首筋から血が吹き出る

 

   

       「君は敗者だ。君は、自分の中の狂気に負けた。生にしがみつき、戦うことを諦めた。でも」

 

       「死を選ぶことは勇気のいる覚悟だ。だから、その勇気と死はボクが背負おう」

 

 

 

       「…ボクの名は桐生呼縁。言い残すことがあったら、聞く」

 

 

 

 

 

 

 

   

 (Itta-RL) ――結論から言うと。

 (Itta-RL) その、変質した口から、言葉が零れることはなかった。

 (Itta-RL) けれど。

 (Itta-RL) その、最後の瞬間の、殺気の消えた目は、

   

 (Itta-RL)    酷く穏やかな、無垢な少年のようでもあった――

   

 

 

 

 

   

  「…もし聞こえてたら。すまない。できれば、君を理想郷に連れて行きたかった」

   

   

 

 

 

 

 

 

   

 (海藍) 「───さて」

 

 (海藍)  未だ蟲の喰らいついたままの獣のもとに歩み行く

 

 

  「あなたに、三つ、選択肢をあげましょう」

   

   ひとつ、といって、人差し指を立てる。

   

  「このまま、ここで獣として果てる」

   

   ふたつ、といって、中指を立てる。

   

  「大いなる母のもとに帰り、其処で安らいだ眠りにつく」

   

   みっつ、といって、薬指を立てる。

   

  「───私と共に、永劫の果てまで旅をする」

   

  「どれを選ぶかは、あなたの自由です」

   

 

 

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)なるほどw

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)何故

 (海藍@舞台裏)  (ι…x…)勧誘しているんでしょう

 (呼縁@舞台裏) こっちが聞かせてほしい()

 (RL行ったきり男@舞台裏) (ιの_の)我に聞かれてもw

 

 

 (Itta-RL) その言葉――果たして理解できたのか。

 (Itta-RL) 誘われるように、獣が歩み出す。

   

 (Itta-RL)    ゆるゆると――

   

 (Itta-RL)  ゆっくりと距離を詰め――

   

 (Itta-RL) 気づけば、眼前。

   

 (Itta-RL) その、異常に発達した鋼の筋肉の身体が、細身の術師の前に立つ。

   

 (Itta-RL) 雨の中で、その表情は見えず――見えたとしても、その心が知れたかも分からず……

   

   

                咆――――――――――――

   

   

 (Itta-RL) 海藍の目の前で、ただ、ただ長く、吼えた。

   

 (Itta-RL) そして、その鋭利な爪を、細い身体に差し伸べ――

   

   

 (海藍)  す───と、手を差し伸べ

   

 (海藍)     Guardian宣言

   

 (海藍)  にこりと笑いを浮かべて

   

 (海藍)              効果:被検体Bの消滅(DMGで言うならば肉体戦21番)

   

 (海藍)                   その手をとった。

   

    

 (海藍)   すぅ、と大気に溶けるように獣の体が透けて消える。

   

 (海藍)   それにつられるように、海藍自身の体も透けて──

   

   

 (呼縁) 宣言:Invulnerable 効果:《守護神》代償ダメージの消去

   

 (呼縁) すっ、と白刃がきらめき──はしっと、海藍の手をつかむ感触。

 (呼縁) 「一緒に行かれたら、困りますよ」にっこり笑いかける

 (海藍) 「おや───」苦笑

 (海藍) 「危うくまた別のところに行くところでした。ありがとうございます、呼縁くん」

 (呼縁) 「つながりは、斬っておきました。あなたも、仲間なんですから」

 (呼縁) 「──リーダーが理想郷を作るまで、どこかに行っちゃわれると困りますからね」

   

   

   

        路地に、静寂が降りて。

   

   

         イリアはしばし、呆とその光景を見つめる。

   

         それから、自分の後ろの壁に座らされた、同じ色の髪の少女を見、

   

           そして、天を仰ぐ。

   

   

         雫が――

   

             その頬を流れる。

   

   

   

   

            それが涙なのか、雨なのか。

   

                知りようなどあるはずもなく。

   

   

   

   

                    ――雨は、夜明けには止みそうだった。

   

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

   

     Cut Off

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

   

  ■シーン2 全員登場

  ┗シーンカード:カゲ

   

 

 

 

 

   ――AAA指揮車両。

   夜明け前の冴えた空気が、エンジンを切った車内にも深く浸透している。

   “ディンゴ”……その名で呼ばれる男はただ、まんじりともせずに通信機を睨みつけていた。

   ……発見の報告は、来ない。

   クガ「………間に合わん、か」

   かすか、その灰色の目が揺れる。

   だがそれも一瞬のこと。

   鋼の仮面の下にその情動を隠し、クガはゆっくりとした動きで通信機に手を伸ばした――

 

 

   

                          ビュゥ………PING

   

   

 (零一) その手が、レシーバーを掴む前に、

 (零一) ディスプレイの上には、黒い球体に『SOUND ONLY』と書かれたアイコンが浮かび上がっていた。

   

   

 (零一) 『ヤァ、Mr.。オ怪我モ無ク、何ヨリダ。』

   

 (Itta-RL) クガはぴくり、と傷の走る片眉を動かす。「――何者だ」

 (零一) 『ソレニ答エル義務ハ無イネ。』

 (零一) 『俺ハ只ノめっせんじゃーサ。』

 (零一) 『子供達ハ全テNOVAカラ居ナクナッタ。』

 (Itta-RL) クガ「―――」

 (零一) 『直、オ前ノ部下カラモ、目標ヲろすとシタト連絡ガ入ルダロウガ、』

 (零一) 『行キ違イデみさいるヲ撃タレテハ困ルカラナ。』

   

 (Itta-RL) クガ「……ほう」

 (零一) 『オ節介ヲ焼カセテモラッタ。無駄弾デ街ヲ焼キ払ッタ愚カ者ノ汚名ハ無用ダロウ?』

 

 

 

   

                     DIVINE WORK

               《Deus Ex ───電脳神─── Machina

   

               ビュビュビュビュ───

   

 

 

       効果音と共に、トーキョーNOVA全図が表示される。

       その何処を探っても、既に、

            彼の研究所逃げ出した実験体の姿が消え去っている事だけが確認できた。

            最早、子供達は彼の手の届かぬ所へと行ったのだ。

 

 

   

 (Itta-RL) クガ「成る程……」

 (Itta-RL) それらの事実を確認。

 (Itta-RL) 口から零れた言葉はそれだった。

 (Itta-RL) クガ「成る程……。何者か知らんが……“貴様が何者かは知らん”が、ご苦労だったと言っておこう」

 (Itta-RL) 嘆息をして、後を続ける。

 (Itta-RL) クガ「……この際だ、個人的な感想は置いておく」

 (Itta-RL) 感謝とか、余計なことを、とか。

 (Itta-RL) そういう類の言葉は、今は要らない。

 

 (零一) 『言ッタダロウ。此方モ物ノ序デ以上ノモンジャナイ。街ガ燃エルト困ルダケダ。』

 (零一) 無表情な筈の、黒い石の球体が、何故か笑ったようにも見えた。

   

 (Itta-RL) クガ「ふ――」

 (Itta-RL) ペンチでつねっても変わりそうにない鉄面皮に、わずかに苦笑が刻まれる。

 (Itta-RL) クガ「……攻撃の中止命令は既に送った。他に何か、貴様が知っておきたいことはあるか?」

 

 

 

 

 (零一) 『ソウダナ───』

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

『         明日ノハ、晴レルト思ウカ?         』

   

   

   

   

   

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

           ――――――キィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイン――――――――

   

   

   

   

   

   

   

       遥かな天空。

          雲を割りながら二機の飛天が疾る。

   

 

 

 

 

 (Itta-RL) ――気づけは雨脚は弱まり、

 (Itta-RL) 空は少し、明るさを取り戻していく。

 

 

 

 

 

   

 (零一) ゴーストEYEランドが近くまで来ていたのが幸いしたな。

   

 (零一) ───ちゃぷちゃぷと、波を打たせている廃船島の艀の上で、雲の切れた空を見上げながら呟く。

 (零一) 子供達は数時間ぶりに見る青空と、先発隊の子供達と合流できたことに歓声をあげている。

   

 (海藍) 「……来ていたのはいいのですが、久しぶりの船は…………ぅ」

 (海藍)  なにやら青い顔で、気分が悪そうな人が一人。

 (呼縁) 「横になってた方がいいと思うよ」

 (海藍) 「外の風に当たっている方が気分が良いもので………ぅ」

 (呼縁) 「AAAの襲撃の方は、問題なさそう?」リーダーの方に

 (零一) 「ああ。流石にNOVA領海の外は管轄外だそうだ。」

 (零一) 暗に、実働部隊のトップと話をつけてきたことを臭わせる。

 (零一) 苦笑を浮かべた後、強くなってきた日差しを避けるようにミラーシェードを付け直した。

   

 (呼縁) 「ところで、急いでたんで了解もらえなかったんだけど、さ。…一つ、わがままを聞いてもらっていい?」

 (零一) 「うん?」

 (呼縁) その手に、ガードコートに包んで、抱きかかえているものを見せて。

 (呼縁) 「…これ、森に持ち帰って、弔ってやりたいんだけど」打ち倒さざるを得なかった少年の躯。

 (Itta-RL) ――少し離れたところで、イリアは無邪気にはしゃぐ子供達の相手をしている。

 (呼縁) 「…だめかな?」

 (零一) 軽く───心持祈る様に首を傾け

 (零一) 「───“蛇”の懐は広い。眠る場所を分ける位は、問題ないだろう。」

 (呼縁) 「ありがとう」にっこりと微笑み返して。

 (海藍) 「……もう一人の彼も、いつでも近くにいますし………ぅ」

 (零一) 「………チャーター便まで、時間が有るから、寝ていろ。デッキチェアを借りてきてやる。」

 (零一) 苦笑して、苦しそうな海藍を眺め

 (海藍) 「……おねがいします………」

 

 (零一)                     Grrrr...

 

 (零一) 最後にのそり、と背中に少女を載せた白虎が姿を見せる。

 (零一) 「王護も、ご苦労だったな。」

 (零一)     Grrrr...

 (零一) ぐしゃり、と獣の頭を撫で───

   

 (零一) 「この子らの立って歩ける場所…足場を、作ってやらないとな───」

   

 (零一)        「さて、今日も忙しくなりそうだ。」

   

   

 

 

 

 

 

 

   

   

 

 

サア――………

 

 

潮風が少女の髪を優しく梳いて過ぎる。

 

 

子供達の歓声。

 

 

 

   

   

   

                        

 

やがて雲が切れて。

 

太陽が顔を出した。

 

 

 

 

 

青い空と、

 

涼やかな風。

 

 

 

 

 

そして、

やがては、

涙も乾く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日は、必ずやってくるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

   

   

   

   

 

   

   

   

   

   

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